滅多にない
タクシー運転手の仕事は、まず「車の運転が好き」という人に向いています。何しろ、勤務時間の大半はハンドルを握っているのですから「車を運転するくらいなら地獄の業火で焼かれたほうがマシ」という人には向きません。
しかし、タクシー運転手の仕事はただタクシーを運転していれば良いかと言うと、そんなことはなく、接客も仕事の大半を占めます。仕事の大半を占める要素が２つもあるので、「タクシー運転手なんて誰にでもできる」なんてうそぶく、そんじゃそこらの人には務まりません。
一方で、タクシー運転手の仕事は基本的に1人で行います。運転席の隣に、たまにお客さんが乗ることはあっても、運転手の上司や同僚が乗ることは滅多にありません。
あるとしたら、研修中に教官役の先輩が同乗するくらいです。
相反する
そんなわけで、タクシー運転手の仕事では運転も接客も運転手の裁量に任されています。
中には、タクシー運転手の運転に細かく注文を付けてくるお客さんもいるかもしれませんが、たいていお客さんは後部座席で静かに過ごします。
タクシードライバーの仕事では多くの部分が運転手の裁量に任されているので、それだけ気楽と言えば気楽です。
気楽ですが、お客さんの安全を守るという責任があります。これはとても重い責任なので、もはや気楽と言っていられる余裕はありません。
気楽であり、責任重大でもあるので、タクシー運転手の仕事はとてもアンビバレントだと言えるのです。
アンビバレントの意味が分からない人は辞書で調べてみましょう。「相反する感情や考えが同時に存在していること」だそうです。