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トラックドライバー 体験談

消えた運転手

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期待の新人

俺の仕事はトラック運転手。俺を含めて30人くらいの運転手を抱える中小運送会社の社員だ。
トラック運転手はここのところ人手不足が続いている。20代後半という「若さ」で入社した俺は、この会社でも珍しい存在で、俺が入社してから5年くらいは、俺より年下で入社してきたヤツはいなかった。
この会社での俺の後輩と言えば、今のところ40代の主婦とか50代のオッサンだ。
だが、ちょうど1年くらい前、そんな俺が勤める会社に、まさに俺以来、久々に20代の新人が入社した。そりゃもう大騒ぎだ。
そいつとは俺が一番、歳も近いわけで、そのため、社長も俺に「面倒見てくれ」と言ってきた。俺が直接、仕事の指導役になったわけではないが、なるべく俺から話しかけ、仕事や会社に少しでも早く慣れてもらおうと思った。
そいつは見るからに真面目そうな若者で、おチャラけた感じもないし、神経質そうでもないし、「何を考えているのか分からない」風でもなかったし、長続きするはずと期待した。

後に残ったのは

「長続きするはず」と「期待した」ってことは、つまり長続きしなかった。しかも、1週間しか持たなかった。そして退職するときもメールで部長宛に「退職します」と言ってきたっきりだ。
退職の理由は「仕事の効率の悪さに将来性がないとしか思えなかったから」だそうだ。
確かにトラック運転手の業界は歴史が古いだけに、昔ながらの慣習にとらわれているところはある。つまり、そいつの言い分にも一理ある。
けど、何も1週間で辞めるこたあねえだろう!と思わなくもない。世代の近い俺がそう思うのだから、あながちおかしな感覚でもないだろう。
価値観は人それぞれだから、ウチの会社にもそりゃいろいろな人がそれぞれの思いを持って働きにくる。しかし、人手不足が続く状況だけに新人への期待も大きく、それだけにやはりドッと疲れる。
こんな疲労、昔からあったのかなあ。

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