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トラックドライバー 体験談

サキヨミ

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高い位置から

僕は4トントラックで設備機器の部品を組み立て工場へ運ぶ仕事をしている。
トラックドライバーになって3年目なので、30半ばという年齢の割りには「まだ駆け出し」と言っていいだろう。同じくらいの年齢でも10年選手の先輩もいるし、40代でドライバー経験も20年近いベテランもいる。
そんな先輩の1人から教わった、トラックドライバーの仕事に欠かせないコツというのが「先を読め」ということ。
トラックの運転席は、普通自動車に比べると高い位置にある。そのため、普通自動車よりも結構遠くまで見渡すことができる。普通自動車より、多少は道路の先まで見えるので、不測の事態にもそれだけ備えられるだろうはずなのだ。
たとえ数秒でも、他のドライバーより先に見えるということは、それだけ危険に対処しやすい。「先を読む」ということは、危険だけじゃなく、いろいろな状況に対して有利に行動できる余裕を持てるということだ。
この「先を読む」ことを、運転席の高さとは関係なく習慣化すると、行動のいろいろな効率化が可能になる。

効率的な運転

例えば、燃料の消費効率が最も良い巡航速度で走っていて、次の信号で赤になるタイミングを先読みできれば、そこでブレーキを踏むんじゃなくて、アクセルを戻す。アクセルを戻している状態では燃料を1滴も使うことなく走れる。
また、特に荷物を積んでいると、惰性によってノーアクセルの状態でも長く走る。これが結構燃費が良い。
先を読むことを習慣化すると、安全運転にもなるし、エコドライブにもなるわけだ。
それで、すっかり「先を読む、先を読む」と、いつも自分に言い聞かせてハンドルを握るようになった。
そんなある日、僕はいつものように荷を積んで工場に向かってトラックを運転していた。いつも通る道には、少し見通しの悪い交差点があり、当然、僕はいつもよく注意して渡っている。
ただ、その日は少し荷積みに時間が多くかかってしまい、時間が遅れがちだったので、僕も焦っていた。

フラッシュバック

それでその見通しの悪い交差点に差しかかった。幸い青信号だったので、そのまま直進しようと思ったところ、急に左から車が突っ込んでくる様子が脳裏にフラッシュバックのように浮かんだ。あういうのを白昼夢とでも言うのだろうか。
それで僕は慌ててブレーキを踏み、トラックを停めた。後ろに他の車はいなかったので、後ろから追突されることはなかったが、僕がトラックを停めた瞬間、目の前を左から右へ、猛スピードの車が通り過ぎていった。
信号無視というやつだ。僕がそのまま交差点に進入していたら、間違いなく衝突事故となっていただろう。
もともと僕は予知夢を見たり、第6感が優れていたりとか、そういうことは一切ない人間だった。
だが、あのときは、日ごろから「先を読む」ことを習慣にしていために、それが超自然的な力となって発揮されたのかもしれないような気がしてくるような、そうでもないような、不思議な感覚だった。

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