運ばない
コロナ禍で外出自粛や営業自粛の要請が出されたときは、俺たち長距離のトラック運転手は「コロナを運ぶな」なんて言いがかりとしか言いようのない暴言を吐かれた。
ま、俺が直接言われたわけではないが、もしそんなこと言われたら「誰がそんなもん運ぶか」「コロナなんか運んでないわ」と言い返してやろうと思ってた。
「お前が運ぶ気がなくても、知らず知らずのうちに運んでいるかもしれんだろ」なんて言われたら「なんだそれ。じゃあ、車を運転するあらゆるドライバーに交通事故のリスクがあるから運転するなと言うんか?」と言ってやる。
まあ、恐怖で理性を失っている奴らには、何を言っても通じないだろうが。
それでも、もし言ってきたら反論し、完膚なきまでに叩きのめしてやる、と思っていた。
普通
「いつもこの世は正しいものが勝つ」と、俺も子どものころは信じていた。子どものころはテレビのヒーロー番組では、そんなことばかり言ってたからね。
しかし、「コロナ運ぶな」発言やら、いわゆる自粛警察やらも、本人は「正義感」から発していると信じているところが厄介なのだ。
正義って、他人に迷惑かけるものじゃないだろう。それに「弱きを助け、強きをくじく」のが正義じゃなかったっけ。弱い人をいじめるのは決して正義じゃないってことは、普通に考えればすぐ分かることで、そういう「普通に考える」ことのできなくなっている自分に気付かなければいけない。
なんて理屈を言っても通じないんだろうな。