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トラックドライバー 体験談

トラックドライバー故郷に帰る

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田舎から来たドライバー

俺は高校を卒業すると生まれ育った田舎を離れ、都会暮らしを始めた。
最初は工場勤めを経験し、そのうちお金を貯めて自動車免許を取り、トラックドライバーに転職した。トラックドライバーの仕事は「やればやっただけ稼げる」と聞いたからだ。
俺は田舎で比較的のんびりと高校生活を送った。親父は地元の鉄工所で働いている。しかし、自分は中卒だった学歴コンプレックスから、俺にはしきりと大学進学を進めた。
俺は勉強は苦手だったし、親父があまりにも「大学へ行け」とうるさいので、それへの反発もあって、高校卒業後は家出同然で上京した。
そして「人間、大学くらい出てないと、何にもならん」が口癖だった親父を見返してやろうと思って、必死にお金を貯めた。

都会の1円硬貨

トラックドライバーになって数年経ち、俺も30歳を超えた。卒業以来、初めて田舎に帰った。
と言っても、そのときには「親父を見返そう」という気持ちは消えていた。トラックドライバーとして一所懸命働き、トラックドライバーの仕事にやりがいや醍醐味を感じるようになっていた俺は、学歴にこだわっていた親父にこだわり続けたことをバカらしく思い始めていたのだ。
親父との再会は、何ともあっさりしたものだった。
都会に戻った俺は、その後、結婚し、子どもも授かった。
子どもには教育や進学についてとやかく言ったりはしない。
学歴は重要じゃないし、金儲けも重要じゃない。お金は単なる紙切れだ。大切なのは、どう稼いだかだ。
俺は子どもにそんな風に教えている。

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