高齢者対策と若年層対策が急務
高齢化が進み、この業界はほんとに職場環境自体が大きく変わろうとしている。
この業界には50代・60代のドライバーが多いが、それに続く若い層が少子化や自家用車離れで極端に少なくなっている。それをなんとかしようということで、3つの改革軸がある。ひとつは、ドライバー不足を補う完全に無人のロボット化。
もうひとつは高齢者を採用して当面は人材を確保できるようにしつつの、自動ブレーキなどの物理的な面での安全機能の高度化。
そして3番目は若い層を取り込んで行くことを主眼とした、高齢化対策とはまた違った意味での安全機能の高度化+インテリジェント化。
高齢者ドライバーにはベテランという要素がある。一方、PC世代・スマホ世代の若年層はドライバー未経験、あるいは初心者ではあっても、WEB世代・ネット世代だからこそ持ち味を発揮できるところが考えられていくはずだ。
ドライバーからパイロットへの進化の時代へ
庫内でのマテハン機器のロボット化や、物流倉庫のシステムの高度化も進みつつあるので、実際に今の現場ではAI化のさまざまな開発が進んでいるらしい。たとえば、衛星を使っての位置の特定から、渋滞時などでのショートカットの割り出し+ガソリン消費量(変動レートも織り込んで)+時間のリアルタイム算出までできるシステム。それに、長距離トラックの帰り荷の自動検索&運賃のオークション管制、中間地デポでの積み下ろし効率計算などなど。
トラックドライバー1人の判断にかかることには、たくさんの要素がある。これを突き詰めていくと、トラックの操作システムが旅客機並みになっても不思議はない。
こうなってくると、実証実験的に積んでいるノートパソコンも、やがてインパネに組み込まれたり、フロントガラスに情報が投影されたりしていくだろう。
そうなると、旅客機のパイロット、いやそれ以上に多彩な知識に基づいての瞬時の判断がトラックドライバーにも必要とされるだろう。積み下ろし作業も倉庫のシステム化やマテハン機器のロボット化が進んでいくことを考えると、どんどん「トラックパイロット」化し、もうガテン系ではいられなくなるのではないだろうか。