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KORAPITA(コラピタ)

トラックドライバー

ザ・トラックドライバー

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看板そのもの

10月31日木曜日、雨にも関わらず、街はハロウィーンを楽しむ人たちでにぎわっていた。
夜勤のトラックドライバーになって2年。この2年が俺を夜行性に変えた。
夜も深くなると、人々の姿もまばらになり、街を彩っていたネオンサインも消えていく。
俺は人知れず、夜の道でトラックを走らせる。だが、街は広く、すべての場所に荷を届けるのは不可能だ。
ほとんど車など走っていないのに、交差点の信号が赤に変わり、俺はトラックを停める。赤信号は「停まれ」合図だ。だが、同時に「信号を無視して走ったら違反だぞ」という警告でもある。
俺が運転するトラックには、俺が運んでいる荷を大きく表示したデザインが描かれている。同僚は俺に「得意先の看板を背負っている責任がある」と言う。
看板を背負っているんじゃない。俺自身が看板そのものなのだ。

希望

11月6日水曜日、朝を迎えた街の至るところを、また陽ざしが照らし始めた。
完全に夜が空けきる前のこのひととき、かすかに残る闇に便乗してうごめくものもいる。今日1日が良い日になるのか、悪い日になるのか、天使悪魔も出方を決めかねているようにも見える。
俺自身も仕事の大変さ、その割りに増えない給与という現状に怒りを覚えることもある。街の人も怒り、悲しんでいる。
しかし、怒りでは何も変えられない。俺自身の過去も。
トラックドライバーは、人が生きて行くのに必要なもの、人生を楽しくさせてくれるもの、救いとなるものを運ぶ。それは希望だ。
そんな希望があれば、人は困難に力強く立ち向かうことができるだろう。

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