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トラックドライバー 体験談

昔、1人のトラック運転手がいた

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もっと太れ

僕の祖父はトラック運転手をしていた。僕の父はトラック運転手にはならなかったが、僕はたまたま祖父と同じトラック運転手の仕事に就いた。と言っても、祖父の影響があったとも思っていない。本当に「たまたま」だ。
ただ、僕がトラック運転手になってから、祖父といろいろ話すようになった。祖父の昔話が、同じ職業の僕にはとても興味深いからだ。
昔は今ほどトラック自体の性能も良くなかったから、ハンドルを切るだけでもかなりの力が必要だったらしく、トラック運転手は文字通りの「力仕事」だったらしい。僕はそれほどマッチョではないので、祖父は「もっと食べて太らなきゃだめだ」なんてよく言う。
確かに今は、トラックの運転そのものにはあまり筋力は必要ないが、手作業の荷積みや荷下ろしには筋力が必要なので、僕も「そうだね」とうなずくようにしている。
ただ、聞くと祖父の時代はトラック運転手が荷積みや荷下ろしをすることはなかったそうだ。本当に、ただトラックの運転に専念すれば良いだけだったらしい。もともと、荷積みや荷下ろしは荷の持ち主や荷の受け取り先の会社がやるべきことだったわけだ。

貧困は誰のせい?

最近は、このトラック運転手の荷積み、荷下ろしも、そのもともとの「やるべき」存在だった荷の持ち主や荷の受け取り先の担当者がすべきだという動きが出てきた。
つまり、トラック運転手の仕事は「過酷」だと言われ、人手不足が続いているから、人手不足を少しでも解消するため「過酷」なところを減らしていこうというわけだ。
だが、これもトラック運転手側に言わせれば良し悪しで、手作業による荷積みや荷下ろしがあるような「過酷な仕事」のほうが報酬が良かったりする。だから、実は「手作業の荷積み、荷下ろしもトラック運転手の担当にしといてほしい」という思いもある。
ただ、「日本ではここ30年ほど労働者全体の給与が上がっていない」なんて話も聞く。日本は「貧困国」なのだそうだ。
我々トラック運転手の給与を普通にもっと上げてくれたら、我々も喜んで荷積み、荷下ろしはもともとの「やるべき」存在だった人たちにお任せするよ。
そんな日が早く来てほしい。

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