県を越えて
コロナ禍で外出自粛だの不要不急の外出は控えろだの県を越えての移動は控えろだの、なかなか「移動」が難しくなった。
そんな中、移動できなくなった人たちの「代わり」と言うと語弊しかないが、以前と変わりなく「移動」しまくっているのが物流だ。その最前線で働くトラック運転手たちは、今日も明日も市をまたぎ、県境を越えて「移動」する。どの「移動」も必要至急。トラック運転手が「移動」するから経済が回り、人々の生活が成り立つ。
そんなトラック運転手たちに「コロナを運ぶな」なんて、心ない言いがかりを投げつけた人たちもいた。コロナウイルスって、普通に人の目で見えるんだっけ?と、イヤミのひとつも言いたくなった。
やればやるだけ
「人は長距離を移動することで快楽を感じる」ってのをどこかで読んだ気がする。だから、なかなか気軽に旅行に行けないと、人はストレスもたまるらしい。また、旅行というものが人気のレジャーになっているのは、そういう理由があるからかもしれない。
「人は長距離を移動することで快楽を感じる」なら、長距離のトラック運転手は毎日快楽を感じていることになる。いや、近距離のトラック運転手も遠方には行かないが、移動距離だけ考えれば、毎日相当な距離を移動していることになる。
トラック運転手は「やればやるだけ稼げる仕事」と言われているが、同時に「やればやるほど楽しい仕事」なのかもしれない。