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トラックドライバー 体験談

人は俺をトラック運転手と呼ぶ

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挫折

俺は子どものころから「おおきなくるまをうんてんする」トラック運転手に憧れていた。大人になってその憧れを現実にした。子どものころの夢をかなえたわけだ。
しかし、夢と現実には差もある。トラック運転手の仕事は拘束時間も長く、土日に休めるとは決まっておらず、また、仕事に慣れるまでは失敗やミスも連発した。好きで就いた仕事だが、何だかゲンナリもしてきた。
世間がどう思っているか知らないが、これでいてトラック運転手の仕事は奥が深い。慣れるまではひと苦労だし、慣れるとまた次のトラブルや課題が待っている。
「必ずどこかで誰かが自分の仕事を見ていてくれる」とは言うが、トラック運転手の仕事は基本的に1人だ。誰も見ちゃいない。それを思うと、俺はますまず嫌な気持ちになってきた。
孤独だ。
そんなある日、上司が珍しく笑顔で話しかけてきた。聞くと、俺が荷を運んでいる取り引き先の担当者が俺の仕事振りをほめていたらしい。

覚醒

なるほど、確かに「必ずどこかで誰かが自分の仕事を見ていてくれる」らしい。
考えてみれば、誰かにほめられなくても、トラック運転手の仕事は社会貢献度が高い。俺が毎日食べている食べ物だって、トラック運転手が運んでくれなきゃ、俺たちの口に入ることはない。
後で聞いた話だが、上司は入社当時に比べてふさぎこみがちだった俺を「辞めちゃうかも」と思い、結構心配してくれてたらしい。それもあって得意先での評判を伝えてくれたようだ。まさに「必ずどこかで誰かが自分の仕事を見ていてくれる」だ。
俺は自分が価値ある仕事をしていることに気付いた。そんな仕事をしている自分の価値にも気付いた。
すると、自分の中に力が湧き出るのを感じるようになった。くじけそうになったり、納期ギリギリだったりしたときも、ふんばって力を出せるようになった。
俺を心配してくれていた上司が「お前、このごろ調子良さそうだな」と言ってきた。
そんな俺もまだまだ修業中なのかもしれない。しかし、俺はトラック運転手だ。今日もトラックを走らせ、荷を運ぶ。

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