ほったらかし
2019年4月に外国人の新しい在留資格として「特定技能」ってのが施行されました。14業種の単純労働について、外国人も就労可能になったのです。これは日本のいろいろな業界での人材不足に対応しようと編み出された必殺技であり、何だかんだ言って「移民政策」です。
長年、人材不足の続く、タクシードライバーだのトラックドライバーといったドライバー業界はその14業種に入っていません。行政的には「ほったらかし」と思われなくもなくないのではないでしょうか。
しかし、日本でタクシードライバーとして働く外国人がいないわけではありません。永住者や定住者のように、就労制限のない外国人です。
僕が勤めるタクシー会社にも、外国人の同僚がいます。
日本の文化、風習にはまだ慣れないし、日本語もとても難しいと言いながらも、いつも明るく、チャレンジ精神旺盛な彼は、私も見習いたいところがたくさんある、立派なドライバーです。
うってつけ
日本の文化や「おもてなしの心」を学びたかった彼にとって、タクシードライバーの仕事はまさにうってつけだったそうです。
また、僕が勤める会社は普通自動車二種免許取得の費用も負担してくれるし、研修中も30万円以上も給料が支給されるし、日本人の僕にもありがたい制度が充実。そりゃ福利厚生にシビアな外国人も納得、満足です。
彼が日本の文化に魅せられ、それを学びたいと思ったのは、それだけ彼の目に日本が魅力的に映ったからにちがいありません。
その一方で、いまだに外国人を「低賃金で使える労働力」としか見ていない企業の話や、過酷な環境を強いられてきた外国人技能実習生のニュースも耳にします。
もちろん、きちんと外国人を迎える企業のほうが多いでしょう。外国人を冷たく扱う企業は一部だと思いますが、ほんの一部だとしても、同じ日本人として恥ずかしくなります。悲しくなります。
外国人が魅力的と感じてくれる日本であるために、僕も襟を正したいと思います。