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ある日のサービスエリアでの哲学的近未来談義

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ヒトはシンカ(進化)する? マシン化する?

ある日のサービスエリアでのこと。時間調整の都合で久しぶりにのんびり食事していた時のドライバー仲間同士の会話で、こんな話題があった。みんなに共通の関心事でもあったので、ちょっと要約して書き残しておく。

A:機械と人間の境界線について時々思うんだけど、長いことドライバーに就いていると“人馬一体”というか、クルマと自分を一体として感じることってないか? たとえば、運転席にいても車幅とか荷台の後端とかも皮膚感覚で分かってハンドルを切る。エンジンのコンディションもタイヤの調子も分かる。そんな不思議な感覚ってあるでしょ。

B:そうだね、ふだん自分たちはアタリマエの感覚としてクルマを手足の延長みたいに感じて乗ってるけど、言われてみると不思議だよなあ。なんか無機質なモノを道具としてじゃなくて体の一部と思っちゃう、そんな感覚。

C:大きなトラックも人間の手足の延長ってことになるのかな。すごいもんだねえ。足の延長がクルマなら、ふだん30分で2キロくらいの距離を行くところを、30分で50キロ、60キロ行っちゃうんだからなあ。

D:でもさ、逆に生身の人間が機械であるクルマに取り込まれ、人間もマシン化しちゃってると見られなくもないんじゃないかな? だって、トラックドライバーをそのままロボットに置き換えようって話があるでしょ。

A:置き換え可能ってえことはだよ、ヒトであるドライバーと自動運転ロボットは同価値という意味だよな。今の自分たちのやってることは何なんだろうって思っちゃうねえ。

自動運転以上のヒトのドライバーの仕事とは?

B:言われてみれば難しいね。クルマが生物組織化するのとヒトがマシン化するのとの差ってなんなんだろう。俺たちドライバーは毎日機械みたいに動いてりゃいいんだろうか? 正確・迅速なロボットが定着するまでのツナギってわけかい?

C:仕事にこき使われているだけなら、そういうことになるなあ。睡眠時間を削ってムリしてるだけなら、ぜったいロボットが勝つもんなあ。

D:でもそれって、主体をどこに置くかの問題かも。経営者の視点から見れば、そりゃロボットに分があるけど、ドライバーにとっては“人馬一体”感のオモシロさに勝るものはないんじゃないだろうか?

A:そうだね。将棋やチェスをやったりするのがヒトかロボットかの問題に近いかもしれんね。ロボット同士の将棋なんて、全くのナンセンスだもん。そう考えると、問題は我々ドライバー自身がどう仕事を楽しんでるかだろうね。

B:俺は自動運転化、ロボット化がどこまで進んだとしても、走ってるトラックのコクピットにはずっと居続けたいね。ロボットと会話しながら、まわりの風景を楽しみながら、夜は完全自動の運転に切り替えてさ。届け先で挨拶するだけというのもオモシロい。

D:そうだよね、そこまでトラックが進化しても、やっぱり好きなトラックと一緒に走っていたいもんね。そうじゃなきゃ、人間の仕事は全部ロボットがやって、ヒトは家に引きこもってロボット同士の将棋やチェスを見てるだけの存在になっちゃう。

さらにもうちょっと先の未来に運ぶものは?

A:でも、そこまで行くとトラックが運ぶのはモノだけじゃなくなるだろうなあ。

C:え、ナニを運ぶ?

A:たとえばサ、アメリカではメインの広告依頼主が変わるごとに港を移動する大型ヨットに、会社ごと乗った広告代理店ってのがあったし、昔の西部劇に、豪華列車の一両まるごと探偵事務所ってのがあった。

B:なるほど、ヒトの働きそのものを動かしちゃえという発想ね。移動してオモシロいものは、けっこう昔からあるね。サーカスのキャラバンとか、テント演劇とか、移動店舗とか。

C:いや、ホントだ。山間部なんかでは、移動スーパーマーケットとか、定期巡回の医療・看護・介護・薬局のチームとか、そんなものってロボットじゃ絶対ムリだから。

D:さらにもっと想像できないようなものを運ぶ、そんなドライバーもあり得るわけだね。未来では物流業界も大きく変わりそう。

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