真っ白なホワイトも無ければ完全ブラックも無いはず
あなたがもし。転職組みとしてプロドライバーを目指すなら、いいかげんな気持ちでハンドルを握って欲しくはない。ウェブの片隅の小さなコラムでこれを読む人もわずかだとは思うけど、そんな思いから、ちょっと書いておこうと思う。
まず、あなたはとりあえずウェブなどの求人情報、特に最近ではドライバー専門の求人サイトなどで職を探すと思うけど、その時、何を重視する? 職探しの常として全て理想的な条件などあるわけはない。給与? 休日休暇? 人間関係? 仕事内容? いろいろあるけど、100%ホワイトな会社はまずない。逆に全くのブラックという会社はといえば、この業界に限らずどこでも改善が進んでいるとはいえ、まだまだ多い。
たとえば、ものすごく給与条件だけがいいところはどうか? ブラック企業を承知で、厳しい職場環境をわかった上でがんがん儲けて短期で替わる。実はそれも手だと思う。とにかくお金を儲けることにまずは徹するという覚悟と、どのラインがブラックとホワイトの境目かをちゃんと知って、今の仕事は客観的に見てどの程度のグレーかを知った上で仕事すること。最低限、休暇・休憩などの規制基準は知っておきたい。
逆に給与は安いが、休日休暇の条件がよく、保有車種が多彩で、免許など資格取得補助があるところは、お金よりもスキルアップ・ステップアップの可能性が見込める。そういうところは給与が多少安くとも、その分は自身の実践を通じてのパワーアップへの投資だと考えよう。
20代はまずは体力勝負で厳しいところに飛び込んでみる
そういうホワイト系のところは、実は20代の転職よりはむしろ30代・40代からの転職組にオススメしたい。矛盾してるようだが、その年代からガッツリ稼ぐ系のグレーに近いところで、短期でもいいからまず稼ごうと思ってもムリだから。
20代は体力、30代は経験力、40代は知力、50代は政治力、とは言うけれど、俺自身は今、40代半ばで、20代後半から運送業界を何社か変わってきたという経験を客観的な目線で、知力を働かせて見ている。すると、結果的に転職するたびにステップアップしてきたことが実感できる。それも無事故・無違反で。「無事これ名馬」と言うわけだ。ラッキーだったこともあるけど。
おもしろいことに、給与条件がやたらとよくて仕事がキツそうな会社のウェブ広告なんかは、一緒に頑張ろうみたいな社長登場の広告や、社員がスクラム組んで待ってるゼ!的なのが多かった。よく、広告の見分け方みたいなところで、そういうのはきっとブラックだからやめておいたほうがいいと、決まり文句のように書いてるけど、ガッツリ稼ぐ覚悟で飛び込んで、ブラックスレスレでも頑張ってる人たちもいたりする。
20代の最初の段階では案外そんな大変なところから始めてみるのがいいと思う。俺の場合はその頃からの同僚というか戦友の友達が何人かいる。「若いころはけっこうムチャして働いたもんだね」と、その仲間どうしで盛り上がる。が、それを今の世代に武勇伝として話したりするのはかっこ悪いことだという品格だけはある。