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トラックドライバー 体験談

トラックドライバーはほんとうに孤独でいいんだろうか

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孤独がいいやと思っていたのがツラいと感じるように

僕は今、メーカーの倉庫から大手流通チェーンの本部倉庫にグローサリー(コンビニなどの惣菜や弁当・生活雑貨・日用品など)を運ぶトラックのドライバーをしています。
ドライバーのキャリアを6年前、各小売店舗への小口配送から始め、自分なりにアップグレードを図りつつある途上です。いずれは持ちトラやタンクローリーなどの大型で長距離を運転するのが目標です。
クルマは子どものころからの憧れで、ふだんからクルマで走り回るのは好きでした。トラックドライバーも、誰にも気兼ねなく1人でできる、孤独を愛する者向きの仕事という感じがいいなと思っていました。
でも、小口配送で走りまわっていたころは、仕事がきついのと、いつでも気軽に話せる同僚もいないのとで、いくら孤独がいいといってもさすがに心が折れかけていました。そんなときです、僕よりちょっとだけ前に入社した先輩に出会ったのは。

二つ返事で大変なことも引き受けたAさん

仮にAさんとしますが、会ったときから妙にヘラヘラして、何の悩みもないように見えました。仕事で何を頼まれてもいつも「はいはーい」とお気楽に受けます(本人に言わせるとコレがホントの二つ返事なんだとか)。大変な仕事ではた目にも大丈夫かなと不安に思うのですが、仕事は完璧に仕上げます。
でも、ふだんはものすごく軽薄。そんなAさんが、僕がちょっとしたポカをやらかして落ち込んでいたときに「お、青年、ちゃんと落ち込んでるかい」と声をかけてきました。まだ相変わらず孤独を愛していた僕は、にらみ返しただけ。
それからしばらくして、僕は2日間寝込んでしまい、仕事を辞めよかなとも考え始めました。
回復して職場に戻ると、誰かがカバーに回ってくれたのか、配送スケジュールの遅れはほんのわずか。えーすごい!と思って上司に聞いたら「全部Aが1人で回ったよ」との答えでした。

Aさんのプロドライバー気質は実は父親ゆずりだった

そのことでAさんに最大級のおわびとお礼を言ったら「友だちやんか」とニッコリするだけ。なんて心の広いヒトと感心、感動しました。それ以来、そこそこ軽く見ていたAさんがとてもいいヒトだと気がついて、すっかり友達になったからアラ不思議。
同年輩ということと、僕同様、長距離の「持ちトラ」が目標ということが分かって、何でも話せるようになりました。
もちろんAさんはあいかわらずのチャライキャラでしたが、仕事そのものはいつでもカンペキ。会社で定期的にやることになってる安全研修なども欠かさず出て、意見を言ったりします。
よくよく聞いたらAさんの親父さんも長距離のドライバーだったそうで、小さいときに一度、親父さんの膝に乗って運転席に座った感覚が忘れられなくて、いつかは自分もと考えるようになったそうです。それにしてもふだんの軽薄な印象はなんとかならんかと言ったら「これもお父ちゃんゆずりなんやからしゃあない」と。
まあ親友のすることだから何でも許せるかと。あれ、気がついたら、孤独を愛していた僕にも親友ができていました。

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