原因をたどると
通販の商品を配達する、いわゆる宅配便トラックの運転手は、他のトラック運転手同様、近年減少しています。
しかし、宅配便が届ける通販の商品はますます増えています。インターネットの普及によってネット通販の利用が爆発的に増加したからです。
運ぶべき荷物が多いのに運ぶ人がいないわけです。
トラック運転手が少ないのは、トラック運転手の仕事が「長時間労働で過酷」というイメージが広がったためと考え、トラック運転手の労働環境を「過酷じゃない」に改善していこうという取り組みも始まりました。
こうしてトラック運転手が増え、日本は平和になりましたとさ‥とはなっていません。
トラック運転手の労働環境の改善がなかなか進まないのか、そもそも労働環境を改善すればトラック運転手が増えるという考え方が間違っていたのか。恐らくどちらも正解でしょう。
根本的に少子高齢化が進み、労働力の中心になる若者が減っています。そのため、トラック運転手だけではなく、どの業界も人手不足状態になっています。
さらにたどると
ということは少子高齢化を食い止め、さらに子どもがどんどん増える世の中にしないといけないわけです。
少子高齢化対策は、トラック運転手の労働環境改善の取り組みよりもずっと前から政府でも始めている、はずです。しかし、進めている割りにちっとも子どもは増えたりしません。
やはり、安心して子どもを産み、育てられる環境が整っていないと、なかなか誰も子どもを産もうとは思いませんよね。
今は女性も企業でガンガン働く時代ですから、結婚して子どもができてもそれで退職する女性は減っています。結婚して子どもも育て、なおかつ仕事も頑張りたいと思う女性が増えています。そのため、会社として女性が出産しても継続して活躍できるようにしとかないといけないわけです。
実際、産休などの制度を充実させ、女性がずっと仕事を続けられるようにはなってきました。それでもまだ一部ではマタハラなんてものがあったり、子どもを預けられる保育所が少なかったり、「安心して子どもを産める」社会にはなっていません。
そして、実際に子どもを出産するのが女性なので、こうした問題を「女性のこと」としか考えず、問題意識を持たない男性が実に多いようです。
ま、これではトラック運転手が増えるわけはないですね。