大ヒット作があるけど
僕はバスの運転手です。
鉄道好きな人が大人になって鉄道会社に就職するように、僕も子どものころからバスが好きだったので運転手になりました。
もちろん、実際に仕事としてバスを運転していると、大変なこともストレスになることもあります。それでも僕はバスがやはり好きなので「好きなバスを運転できる喜び」が勝ってしまって、毎日楽しく仕事をしています。
世の中にいろいろなプロドライバーがいて、それぞれ人手不足になっているそうです。バス運転手も同じ事態に陥っているらしいです。僕からしたらもったいないとしか言えません。
思えば、バスの運転手って映画やドラマの主人公としてはなかなかお目にかからず、多くの人がイメージしにくいのかも。大ヒット映画でバスが活躍するというと「スピード」くらいですかね。けど、設定された数値より速度を下げると仕掛けた爆弾が爆発するというサスペンスアクションですし、見てもなかなかバスに憧れたりできません。
細かく覚えていないけど
そんな中、僕が忘れられない映画があります。1976年の「弾丸特急ジェット・バス」ってアメリカ映画です。ただ、忘れられないんですが、細かいことは覚えていません。76年と言えば僕が生まれる前なので、テレビ放送で見たのか、誰かが借りてきたビデオで見たのかも覚えていません。
でも「バスの映画」ってことで喜んで見た気がします。
タイトルだけ聞いて、最先端の技術で開発されたバスが活躍するSFチックなアクション映画だと思っていたんですが、なんだか変な雰囲気を感じました。後にコメディだったと知りました。
2両連結の原子力で走るバスが登場します。子ども心に興奮しました。
しかし、バスとは全然関係ないシーンが特に強烈に記憶に残りました。
主人公はバス運転手なんですが、酒場みたいなところでケンカになります。そこはバス運転手のたまり場なので、みんなミルクを飲んでいます。普通の映画でよく見る酒場の乱闘シーンでは、ケンカする人物は酒ビンを割って、そのとがったガラスを武器にしたります。ここではミルクの紙パックの底のほうを切り裂き、それを割れたビンのように構えます。周りがどよめきます。
大人になってバス運転手になり、飲酒運転は絶対ダメと思うときに決まってあの場面を思い出します。