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トラックドライバー 体験談

トラックドライバーは消えゆく職業か

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オワコン

「トラックドライバーはオワコン」なんて言うヤツがいた。
今は2054年。数年前に自動運転システムの導入が実現し、荷の積み下ろしなどもロボットがやるようになり、確かに人間のトラックドライバーは激減した。
トラックドライバーはまさに消えゆく職業だ。
俺と、昔からの俺のトラックドライバー仲間は、何とか旧知の社長の会社に雇ってもらい、仕事にありつけている。その社長も昔はオーナー社長だったが、今は大手企業に買収され、雇われ社長だとこぼす。
俺の心のなぐさめは、行きつけのバーの雇われママ。もう何年も腐れ縁のような仲を続けている。地方出身者と違って品もある彼女は、俺にとって「貴婦人」だ。

リストラ

最近親しくなった若いトラックドライバーがある日、リストラされた。俺と俺のトラックドライバー仲間は、少ない餞別をヤツに渡し、静かに送り出した。
リストラは親会社の意向で、雇われ社長の身ではできることは何もなかったそうだ。
同僚たちは皆同年代だ。もう若くはない。そろそろ潮時かもしれない。
やがて、俺のトラックドライバー仲間は未亡人と結婚して雑貨屋の主に収まった。
リストラされた若いドライバーは道を踏み外してアウトローになっちまった。
そんなとき、俺の「貴婦人」が逝ってしまった。肺病だった。
そして俺は今日もトラックで荷を運ぶ。俺はまだダメじゃない。
すべてを失い、何もかもがうまくいかないが、良いときが必ず来る。
なんて、30年先でも希望を捨てないで生きていたいものだ。

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