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トラックドライバー 体験談

世の中、上には上がいた

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相棒

ご存じの通り、トラックドライバーは基本的に1人で仕事をする。
だが、俺には心の中で相棒とも呼んでいる仕事仲間がいる。
そいつは行きつけの定食屋でよく会う同業者だ。俺より15も年上だろうか。ひと目見てベテランという風格を持つドライバーだ。会社も違う同業者なわけだが、ひょんなことから仲良くなった。
最初は俺の勘違いから始まった。俺の会社の同僚で、やはり15歳くらい年上のベテランドライバーがいて、同じ会社なので仲良くしていたのだが、この人があるとき、突然会社を辞めてしまった。「家督を継ぐため」と言って、生まれ故郷に帰ってしまったのだ。
せっかくの仲間を失ってしょんぼりしていた俺が、そいつが辞めたその同じ日に行きつけの定食屋で会ったのが、今の相棒だった。

腕と気っ風

辞めたベテランと、その今の相棒がよく似ていて、最初は辞めちまったやつがひょっこり戻ったのかと勘違いし、「何だよ、戻ったのかよ」と、気さくに話しかけてしまった。
ところがこれが別人で、当の本人はきょとんとしている。いやあ、世間にはあんなに瓜二つの他人のそら似があるもんかねえ、と大いに感心した。
とにかくそれが縁で、その店で会えば話すようになり、いつの間にか仲良くなった。
辞めたベテランは曲がったことが嫌いで、困った人を見ると放ってはおけない人情の厚い男だったが、新しい相棒もそれと同じくらい、いや、それ以上に情に厚く、強い正義感の持ち主で、その人柄に惚れちまったわけだ。
向こう意気ならトラックドライバーの中でも俺が一番だと思っていたが、腕も気っ風も俺の上手を行くんだよね。
以来、俺は勝手に相棒を名乗り、仕事のことでも仕事以外のことでも何か困りごとがあると相談するようになった。
しかし、顔が似ていると人柄も似るもんなんだなあ。

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