頼るのも良くない
今、トラックドライバーは人手不足が続いているらしいから、いろいろと労働環境の改善やら女性の積極的採用やら高齢者の継続勤務なんかをやっているみたいだけどさ、労働環境を改善しようにも余裕がなかったり、女性を採用しようにももともと女性に人気がない職業だったり、高齢者は万が一の事故の場合の問題もあるから、全然人手不足解消の実現は難しいんだろうね。
でも、いろいろな取り組みは業界の「あきらめない!」って心意気が見えるからウレシイよね。いわゆる普通の他の業界でも働き方改革なんてのが取沙汰されているけど、トラックドライバーの業界はいろいろ普通じゃないこともまかり通ったりするから、問題を解決するのもひと苦労だろう。
外国人雇用まで幅を広げたり、自動運転システムの開発を進めたり、試行錯誤する余地はまだいろいろある。
大先輩のベテラントラックドライバーの中には「女には務まらない仕事だぜ」と言う人もいる。ま、頭が固く、古い人はどうしようもないと言うか、この際はスッキリ無視したほうが良いかもしれない。いくら尊敬すべき大先輩でも。
若い男が新しく入社して来て、ホッとしても、女性が働きにくい職場は若い男だって敬遠するよ。昔の人は何でもかんでも「我慢しろ」とかいう根性論でやって来たかもしれないが、今はそんなの通用しない。
根性なんかに頼っている場合じゃない。
法令遵守は今や必須だ
上司が何でも根性論で押し付ける会社なんて「ブラック企業」の烙印を押されてしまう。
逆に今は「労働環境の改善」が物流・運送業界のトレンドだ。
でも、いろいろ「労働環境の改善」ポイントがある中で、俺が一番必要だなと思ったのは、何と言っても就業時間の短縮と休日の増加。確かに拘束時間の長い長距離の仕事は実入りも良いんだけど、そんなに過酷じゃなくても十分に給料をもらえる日本にならないと。
そう、高収入であることも絶対に譲れない。
物価の低かった昭和の昔、長距離ドライバーは年収1000万円以上稼ぐこともあったと言うから、今の労働条件なんてどうしようもなくて「やってられねえ」という感じ。
昔は皆そんな大金を稼でいたから、どうしたって「それくらい、俺だって稼ぎたい」と思っちゃうね。それも、長時間労働も残業も車中泊も休日出勤もない仕事で、それぐらい稼ぎたい!
結婚したり、家を建てたり、人生の節目節目で「トラックドライバーであること」の恩恵に預かりたいのに、ブラック企業だったらムリっしょ。
今や普通のサラリーマンでも労働環境の改善が進められ、女性の活躍も広がっているんだから、物流・運送業界だって同様だと、俺はとらえているね。「トラックドライバーは4時間走るごとに30分以上休憩を取らなければいけない」なんて法よりも、俺にとってはこっちのほうが大事。格別だ。
俺の場合、つい最近まで求職活動してたんだけど、現場を経験した者として言えることは、ブラック会社はよしたほうが良いってこと。そういう会社に限ってデジタルタコメーターなんかのチェックはしっかりするけど“人に優しい会社”ではない。危機管理として、一般市民に対しても、ドライバーに対しても当たり前のレベルをクリアしてないと思う。
俺としては、タコメーターなんかはなくとも、度量の広い経営者がいるホワイトな会社が良いと思うな。