キャリア
最近、久しぶりに小学校時代の同級生と飲んだ。俺は高校を卒業してから運送会社に就職し、今はトラック運転手として働いている。
その同級生はメーカーとしてそこそこ名の知れた大企業に就職している。その会社には高卒も多いが、同級生は大卒で入社した、いわゆるキャリア組だ。
そんな同級生でも、得意先である、大企業のその上に君臨する一流企業の担当者の接待には神経を使うことがあるらしい。
接待でゴルフコンペを行うこともあるらしいが、得意先担当者の機嫌を損ねないためのドタバタは、部外者からすると大いに笑える話だし、実際、同級生も「過去の笑い話」として話してくれた。しかし、中小企業のトラック運転手である俺には、一片の共感するところもないし、話を聞いていてだんだん「昭和の昔じゃあるまいし、令和の今の時代にそんなバカバカしいご機嫌取りをやっているのか」という思いにかられ、全く笑えなくなっていった。
ノンキャリア
俺の勤める運送会社にも得意先はあるし、社長は得意先の機嫌を取るためにすごい苦労をしているかもしれない。
しかし、俺自身はそんな時代錯誤な機嫌取りなんて考えたこともない。久しぶりに会う前は、大会社に就職した同級生に対して、何だか俺とは別の世界に行ってしまったような気もしていたし、正直言って「どうせ俺は中小企業だし」と、少し卑屈な気持ちも抱いていた。
そこに同級生の何やら愚痴めいた、昭和な接待の話を聞くと、卑屈な気持ちも吹き飛んでしまった。大企業なんて言っても、そんなもんか、と思った。
繰り返すけど、今は令和だ。昭和なご機嫌取りの接待なんて、もうやめようよ。
そして、昭和なご機嫌取りをバカバカしいと思うなら、今からでも間に合うトラック運転手としての就職を考えてみよう。