ひもじさに負けるな
空腹はふいに襲ってくるものではありません。大体、毎日ほぼ決まった時間に襲ってきます。
ただ、その日の気分によってやけに強力だったり、あっさりしていたりという変動はあるかもしれません。
それでも、大体いつも襲ってくる時間は決まっているので、対策を取る時間的余裕も十分にある、はずです。
トラックドライバーとして、走り慣れている道なら、対処はより簡単です。この道をこっちに向かって走っているなら、何時ごろ、どのあたりで食事を取れるか、予想しやすいからです。馴染みの食堂に寄るもよし、馴染みのラーメン店に寄るもよし、馴染みのコンビニに寄って馴染みの弁当を買うもよし、です。
これが走り慣れていない、初めて走る道だと、事情も変わってきます。もちろん、今やネットでいろいろな情報を得られる時代なので、昼ごろ通るあたりにどんな店があるか、事前に情報を得ることはできるでしょう。しかし、現地に行ってみるとネット情報とは違っていたなんてこともありますし、それにトラックドライバーに多い中高年以上になると、いちいちネット情報を調べたりもしないかもしれません。オッサンはそんなもんです。
空腹には勝ったが
そんなわけで、昼ごろになり、そろそろ腹が減ってきているのに、食べるところ、食べ物を調達できるところが見つからず、焦りながらハンドルを握るトラックドライバーも出てくるわけです。
そんな、馴染みの薄い場所に行くなら、トラックドライバーとして運転しながらでも口にできる何かを常備しておきたいものです。お菓子の類ですね。ちゃんとした食事にありつけるまでの「つなぎ」になります。
ですから、トラックドライバーであれば、空腹に打ち勝つ手立てはちゃんとあるということになります。
ただ、もしかしたらそれにも個人差があるかもしれません。
今回は牛たんがうまい仙台に行くから、着いたら美味しい牛たんをいっぱい食べようと、それこそ「牛たんの口」になってトラックを走らせていたトラックドライバーが、タイミングと言うか運が悪いことに、荷を下ろした後も牛たん店に寄っている時間的余裕がなく、仕方なく市内にある普通のコンビニで唐揚げ弁当を買って空腹を満たしたとしたら。
何しろ口は「牛たんの口」になっているのですから、トラックドライバーも大いなる敗北感を味わうことでしょう。もっともこの場合、空腹に負けたというより、食い意地に負けたのかもしれませんが。
それに、時間にも何にも関係なく、ふいに襲ってくる空腹が全くないわけではありません。やはり空腹はあなどれません。