消えた商品
イギリスでも日本同様、トラックドライバーは深刻な人手不足が続いているそうだ。
と言うか、日本より問題は深刻で、実際、スーパーの商品棚から商品が消えているとか。スーパーに並べる商品を運ぶトラックドライバーがいないので、商品が並ばないわけだ。
多くの日本人が「外国のことか」と、あっさり興味をなくすかもしれない。どういうわけか日本人は、日本が島国だからか、外国で起こっていることは自分たちには関係ないと思いがち、と言うか、関係ないと思いたいようだ。
しかし、そうは問屋が卸さず小売店もてんてこ舞いというのが現実。遠く離れた外国で起こっていることも「明日は我が身」の可能性は高い。新型コロナウイルスだって、あっという間に世界中に広まったし。
日本では確かにまだスーパーに商品が並んでいない現象は起きていないが、近いことは、それこそコロナ禍の初期で起こっている。トイレットペーパーがスーパーから消えたではないか。
残された時間
トイレットペーパーが本当になくなったわけではない。トイレットペーパーを運ぶトラックドライバーが圧倒的に足りず、輸送が追いつかなくてスーパーに並ばなくなった。
それに、若いなり手が激減して高齢化が進み、トラックドライバーの交通事故が「高齢ゆえの過失」というケースも珍しくなくなった。4年ほど前のあるデータでは、50代以上のトラックドライバーは全体の約40%だった。この数字はやはり異常だと言っていいだろう。
時代とともに価値観は変化する。若い人の職業に対する意識にも変化はあるだろう。
とは言え、やはりトラックドライバーの仕事が若い人たちにとって魅力的に見えないようにしたのは、政治の力不足も大きいはずだ。
イギリスでは今さら政府が「人材育成に力を注ぐ」と言っているらしいが、人材育成にはそれなりの時間もかかる。しかし、クリスマスを無事に迎えられるかどうか、実情は切迫しているとか。
日本もいずれ同じ憂き目を見るように、ならなきゃいいが。