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トラックドライバー 体験談

次世代に伝えられることって何だろう

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進む高齢化

僕は30代でトラック運転手の仕事をしているが、30代前半でも会社では最年少だ。
他の会社同様、我が社でもトラック運転手の高齢化は容赦なく進み、60代は珍しくない。特に、今のところ我が社の最年長、64歳のYさんは、僕が入社したときに仕事を教えてくれた恩人。
と言うか、我が社では多くのトラック運転手がこのYさんから仕事を教わった。そして皆がYさんを尊敬している。
それはYさんが特別に運転がうまいからとか、荷役が効率的だからということではない。やはりもう高齢なので、スピードでは下の世代にはかなわない。
実際、トラック運転手の仕事も昔に比べて効率化が進んだと思う。スマホのおかげでもある。
30代の僕だけではなく、40代、50代でも今やスマホは仕事に欠かせない。スケジュール管理や会社との連絡、地図アプリの活用など、当たり前のようにスマホを使いまくる。
そこはYさんも同じだ。

スマホが無くても平気

ただ、Yさんは30代後半くらいまで、携帯電話を使っていなかった。と言うか、当時はYさんの周りの人たちもほとんど携帯電話を使っていなかった。つまり、Yさんが30代後半くらいになって、ようやく世の中で携帯電話が一般的に普及し始めたらしい。
だから、Yさんにとってはスマホが無くてもあまり大きな問題ではないのだとか。僕にとっては全く信じられないことだけど、昔は「無いことが当たり前」だったという。
トラック運転手の業界もどんどんデジタル化、IT化が進んでいる。配達アプリとか、便利なアプリも開発されている。
さらに将来はトラックも自動運転システムが導入され、無人でもトラックを走らせることができるようになるという。
「私はそのころまで生きていないから」とYさんは屈託なく笑う。
Yさんが皆から慕われるのは、その偉ぶらない人柄からだ。ひょうひょうとしながらも大事なポイントはきっちり押さえる仕事ぶりも、もちろんベテランならではのていねいなものだ。
そんなYさんの笑顔を見ると、僕自身が60代になるころには、僕らがYさんから教わった大切な何かに気付くかもしれないと、ひそかに思う。

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