機械が仕事を奪う話
AIやロボットが人間にとって代わり、人間がやっていた仕事をするようになるという未来予想は、ずいぶん前から言われています。
というか、産業革命以降、人間は機械に仕事を奪われています。白土三平の漫画「カムイ」でも、農業の作業を簡単にできるようにした機械を発明した農民が、今までその作業を行ってきた農家の主婦たちにボコられる場面がありましたよ、確か。
本来、人間の役に立つために生まれた技術が人間を不幸にするってことは、今に始まったことではありません。
このAIやロボットがまず奪うのが、トラック運転手の仕事だと言われています。自動車の自動運転システムの開発です。
これは実験もかなり進んでいて、高速道路など、道路を限定した形ではすぐにでも実現しそうな勢いです。一般道での実現も、技術的にはそれほど難しくはないでしょう。
格差社会が拡大する話
そうなると、運転手は要らなくなります。とはいえ、人間の労働者そのものが要らなくなるわけではありません。
技術的には要らなくなるかもしれませんが、それでは大量の失業者を生むだけなので、政府がそうしないだろうと、予測した人がいます。「運転はしないけど、トラックに同乗するスタッフを置くこと」を法律で定めることになるそうです。
すると、運送業界にはもはや「大型免許を所持する専門職」としてのトラック運転手はいなくなります。トラックに乗っているだけなので、文字通り、誰でもできる仕事になるわけです。
先の予測者は、そのためにトラック同乗者は人気職業になるものの賃金は激減し、まあ、他の仕事も軒並みそんな風に簡単になり、低賃金化が進むと言います。すると社会全体の収入格差がさらに大きくなり、いわゆる中流階級がいなくなると言うのです。
別の話
そうなるとつまり、世の中はすごい金持ちと、あとは貧しい人たちだけになってしまうわけです。そこそこ中流な暮らしをする層がいなくなるのですから。
しかも少子高齢化が進み、外国人労働者の移住が促進されていくので、すごい金持ちの高齢者と、貧しい高齢者と、あとはそこそこ若い外国人労働者という3つの層に分かれるのかもしれません。数で言えば、たぶん金持ちは圧倒的に少なく、貧しい高齢者と外国人労働者が圧倒的に増えますね。
そうなると、少数の金持ちはますます政治家と結託し、貧しい高齢者と外国人労働者の生活は厳しくなるばかりです。
政治家は、簡単に戦争を始めることもできるようになります。軍隊で高い給料を保障すれば、中高年でもこぞって戦うでしょう。するとまた、くだらないヤツが威張る時代がきます。
でもご安心ください。このお話は遠い遠い未来の物語なのです。え、なぜですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから‥というのはまた別の話。