そもそもな話
先日、NHK教育だったかの番組で「外国人技能実習生の実態」みたいな内容を放送していた。
番組によると、フィリピンから来た技能実習生が日本の工場で、低賃金の長時間労働を課せられ、ほとんど自由のない生活を強いられている、といったものだった。
「そもそもな話」からすると、外国人技能実習制度は何も日本の企業の人手不足を補うものではない。外国人に日本で技能を学んでもらい、それを母国に持ち帰って、母国の発展に寄与する、というものだ。
え? 日本にはメリットないの?と思うのは浅はかというもの。外国の発展に貢献することはとても大きな役目であって、これを進めることは日本にとっても大きなメリットになる。世界全体が幸福になれば、日本ももれなく幸福になるのだから。
しかし、日本の企業には、この番組で取り上げられたような「外国人なんて安い賃金でこき使ってやれ」という鬼畜のようなところがまだまだ、まだあるらしい。
しかし、そんな企業だけじゃないよ、と言いたい。
表面的な一部だけ見ないでほしい
僕が働く工場にも、カンボジアからの技能実習生が来ている。ウチの社長は彼らにも日本人の我々同様、熱心に仕事を教え、分け隔てはしない。もちろん、ウチの会社が彼らのおかげで労働力という面で助かっているのも事実だが、社長は彼ら実習生が母国に戻り、彼らの技術をさらに伸ばしたあかつきには、その技術との連携による海外進出を夢見ている。
先日の番組でも、そうした外国人技能実習制度の良い面も紹介できるような取材をしてほしかった、と思う。
僕の友人でトラック運転手をしている人がいる。
彼も「トラック運転手に関するニュースと言えば、事故を起こしたとか、事件を起こしたとか、運転手のイメージを下げるものばっか」と、憤慨していたことがあった。
確かに過酷な労働環境で睡眠不足になり、それで事故を起こしてしまうこともあるだろう。そんな労働を課す、ヒドイ会社もあるに違いない。粗野であおり運転してしまう、まさに鬼畜な運転手だって、中にはいる。でもやはり、それは一部で、全部じゃない。
今回のテレビ番組を見ていて、トラック運転手の友人のやるせなさが少し分かったような気がした。