JCVD
ジャン＝クロード・ヴァン・ダムというアクション・スターがいます。1980年代から1990年代に主演作を連発してもてはやされましたが、その後、低迷していました。
2012年、「ロッキー」や「ランボー」で知られるアクション・スター主演の「エクスペンダブルズ２」に悪役として出演し、健在ぶりをアピール。
さらに2013年、ボルボトラックのCMに出演してさらに注目されました。
それは後退する2台のトラックのサイドミラーに両脚を乗せ、そのまま走りながら2台のトラックがそれぞれ隣のトラックとの距離を広げていき、トラックに脚を乗せた格好のヴァン・ダムが徐々に開脚していくというものです。
ヴァン・ダムは若いころ、自身の主演作で必ずと言っていいほど、見事な開脚を取り入れたアクションを見せてくれたものです。それから紆余曲折を経て、50歳を過ぎたヴァン・ダムが改めて見せる素晴らしい開脚技が、世界中のアクション映画が大好きなボンクラどもを魅了したのです。
注目ポイントはココ
さて、ボルボのCMは何もヴァン・ダムの開脚美を喧伝する意図で作られたわけではあるまい、と思います。ボルボトラックの安定走行のすごさをアピールするものだと思います。
しかし、私はそれ以上に、ヴァン・ダムがバランスを崩して落ちないように、隣のトラックとの車間距離を少しずつ開いていきつつ、一定速度を保って慎重に運転したドライバーの超絶テクニックにうならされました。そりゃ、一流のプロドライバーを雇っているに違いありません。それにしてもすごすぎます！ １つ間違えば、ヴァン・ダムに重傷を与えるどころか、それ以上の大惨事になりかねません。
かくいう私はトラック運転手歴がかれこれ15年になりますが、とてもあんな運転をできる自信はありません。でも、あの、まさに“人の命を預かる”運転技術は、私も見習いたいと思います。微動だにしないヴァン・ダムを乗せて走るトラックの、なんとも穏やかで優しい走り。ボルボのCMを見て以来、あの走りを心に刻み、仕事しています。