毎日の出会いが楽しい
私はコンビニチェーンのルート配送をしています。
この仕事を始めたきっかけは、職業安定所の紹介です。当時勤めていた会社を辞め、車の運転ならできるからと、決めました。
最初のうちは前職のようなストレスもないだろうからと、とりあえずの気持ち半分で気楽に取り組んでいました。でも、ドライバーの仕事に慣れ、コレ、自分に合ってると思い始めるにつれ、できるだけ長く勤めてみたいなと思うようになりました。
楽しいのはさまざまな場面での人との出会い。毎日の仕事なので、配送先のショップの担当者とはすっかり顔なじみ。それどころか、すっかり仲良しです。
春先、新人のバイト君とたわいない会話を楽しんだり、バレンタインデーには配送先それぞれでいろんなチョコレートをもらったりもします。
会社の同僚だとしょっちゅう顔を突き合せるのが気づまりだったりするものですが、ふだん会っていなくても、いつもの顔、いつもの笑顔で迎えてくれるお店のスタッフの方たちとのほどよい距離感がいいのかもしれません。
いつもの横断歩道で見かけるあの子も成長して
ルート配送の仕事に長く携わっていると、季節の変化も織り込んで、毎日運ぶ商品のことや定期コースでの出来事なども分かってくるものです。また、そうした中にもちょっとした変化があるのも面白いものです。
たとえば、発注量の変化を見ていると、だいたい4週間で新製品が交代するなんてことが分かります。お店のある地域によっての商品構成の変化も分かります。
いつも引っかかる信号に差し掛かるころ、ちょうどラジオでは「今日の運勢」のコーナーが流れます。いつもの角を曲がったあたりでは、小学生の登校の列に出会います。初めは上級生に手を引かれていた子がいつのまにか背も大きくなり、1年生の面倒を見ています。実にほほえましく、そんな季節の移り変わりを見ていると、まるで配送車のフロントガラスに超長編映画を映しているような不思議な気分にもなります。
考えてみればそんな感覚を味わえるのも、毎日、健康で無事故・無違反を続けられたからこそ。地道な仕事ですが、自分に合ったこの配送の仕事を長く続けたいと思ってます。