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祖父の予知夢
祖父との思い出 僕が子どものころ、我が家に祖父が同居していた。両親とも昼は仕事で家にいなかったので、祖父が僕の面倒を見てくれることが多かった。 そのころ、祖父は仕事も引退していたが、それまでトラック運 ...
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ろくでなし妥協
大学生とレーサー 俺は小学校時代からずっと勉強に興味を持てなかった。だから成績はいつも下から数えたほうが早かった。ただ、母親は有名大学を出るくらい成績優秀な人だったので、我が息子も大学くらい行かせたか ...
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ひとでなし稼業
女泣かせ 俺はトラック運転手だ。人にこの仕事のことを話すときは「ひとでなし稼業だ」と言ったりする。 と言っても「ヒドイ! あんたなんかひとでなしよ!」と言うときの「ひとでなし」ではない。 トラック運転 ...
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ケアレスミスで気付く、かけがえのない安全
ジレンマ トラックドライバーのような職業ドライバー、つまりプロとして常に忘れていけないのが安全運転です。 しかし、職業ドライバーだからこそ、毎日のように車を運転するので「慣れ」というものが出てしまいま ...
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トラックドライバーにとりあえず必要なのは
体力 俺は大学を出てトラックドライバーになった。トラックドライバーの仕事は、高校時代からの夢だった。 とは言え、高校生の俺に、トラックドライバーになるためにできることなんてそんなに多くはない。運転免許 ...
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長命
何が起こるか分からない コロナ禍なんて、起こる前には想像もしていなかった。 世の中には、そういうことを予測できるほど賢かったり、予知しちゃうほど感度の鋭いお方もいるかもしれないけど、とりあえず僕を含め ...
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懸命
得手 僕は大学を卒業してトラック運転手になった。 僕は屋内も屋外もどちらも苦手だったので、屋外ではあるもののトラック車内という屋内で長時間過ごすトラック運転手の仕事が自分にうってつけだと思ったからだ。 ...
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使命
明るく、たくましく、優しい 俺がトラック運転手になったのは、それを使命と感じたからだ。 俺の実家は町工場をやっている。町工場に限ったことではないが、生産現場に欠かせないのは、部品や製品を運ぶ足。つまり ...
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宿命
負い目 俺はトラック運転手だ。祖父も父もトラック運転手だったので、俺がトラック運転手になったのも宿命だった、かもしれない。「宿命」と書いて、カッコつけて「さだめ」と読んだりもするけど、ここでも「さだめ ...
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運命
3代続いた 俺はトラック運転手だ。トラック運転手となることは、俺の運命だった、のかもしれない。 俺の父もトラック運転手だ。祖父もトラック運転手だった。それで俺は幼いころから「お前は大人になったらトラッ ...