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トラックドライバー 体験談

祖父の遺言

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父の意志

僕が高校生のとき、祖父が亡くなった。
祖父が亡くなる数年前、祖母が亡くなっていて、その臨終に立ち会った祖父は「俺が昏睡状態になっても無理に延命させなくていい」と、父に言っていた。
しかし、入院して病状が悪化し、昏睡状態になったとき、医師から延命措置をするかしないか聞かれた父は、迷わず延命をお願いした。祖父が亡くなったのはそれから1週間ほどしてからだ。
祖父が亡くなったあと、父は僕に「延命しなくていいとは言われてたけど、やはりいざとなったらできなかったよ」と言った。僕にというより、自分自身に言っていたのかもしれない。
いくらそれが祖父の意志だとしても、あのとき、延命を拒否していたら父は死ぬまで後悔することになったかもしれない。そう考えると、僕は自分自身が父の立場でも同じことをしたと思う。

僕の意志

僕はその後、高校、大学を卒業してトラック運転手になった。トラック運転手は子どものころから憧れていた職業だった。
だが、「トラック運転手になりたい」と言うと、誰もが渋い顔をした。父や母は反対した。ネットで調べると「トラック運転手はクズばかり」だの「トラック運転手は底辺職」だの「トラック運転手の仕事は過酷」だの「トラック運転手に将来はない」だの「トラック運転手の彼氏とは結婚するな」だの、さんざんな書かれようだ。
検索して結構上位に上がってくるのだから、あながちウソとは言えないかもしれない。しかし、トラック運転手が荷を運ぶことで人々の生活や経済を支えているのも間違いない事実だ。それだけ日ごろから世話になっているのに、よく平気で悪口を書けるなと憤らないこともないが、それはともかく、僕はトラック運転手になった。
だって、なりたかったんだもん。
ひどい職場なのか、そうでもないのか、やはり自分で確かめてみなきゃ分からんし、確かめてみないでトラック運転手にならなかったから、それこそ後々後悔するだろう。

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