ドライバーのための転職情報コラム

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トラックドライバー 体験談

支社にかかってきた電話

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通話禁止

私はトラックドライバーの仕事をしている。あるメーカーの部品や製品を運び、県をまたぐことはあるが、その日のうちに帰ってこられるので、まあ中距離の仕事といったところだ。
トラックドライバーの仕事は基本的に1人で行う。もちろん、今の世の中、どこにいても携帯電話でどことでもつながれる。とは言え、トラックドライバーは当然ながら運転中の通話は禁止されている。トラック協会でも強く運転中の使用禁止を言ってきているし、私の会社では使用が会社に知れたら罰則がある。
もちろん、私もプロのはしくれとして「バレなきゃいい」といった不埒な考えはない。
だから、基本的に運転中は電源をオフにしておく。運転中に携帯が鳴ると、通話しないまでもやはり気になり、運転に集中できないからだ。

緊急連絡

昭和の昔、まだ携帯電話が普及していなかったころは無線でトラック運転手同士で会話したと聞く。日本の映画でもアメリカ映画でも、そんなシーンを目にしたことはある。今にして思えば、古き良き時代だったのかもしれない。
それが今や、確かに携帯操作による交通事故も起きているのが現実だ。昔に比べ、運転手の腕が落ちているのだろうか。
それはともかく、運転中というか、仕事中に携帯を使いたくなる気持ちも分からないでもない。我々トラック運転手も会社員なので、会社から急な連絡があるかもしれないからだ。
いや、会社は運転中の携帯使用を禁止しているくらいだから、運転中のトラック運転手に電話してくることはないだろう。あり得るのは、取り引き先、つまり荷主が電話してくることだ。また、こちらも荷主は会社にとってのお得意様なので、荷主からの電話は気になる。もしかして、急な仕事の変更指示かもしれない。

うっかり

だから、休憩時など、私はこまめに携帯をチェックするようにしている。私の会社の場合、ドライバーから定期的に連絡を入れることにもなっている。
ただ、若いころにはこんなこともあった。
そのころ私は、ある企業の荷をその企業の支社から別の支社に運ぶ仕事をしていた。その日は、届け先の支社に到着すると、そこの担当者が何だか困惑した表情で私に「会社から何度も電話が来てますよ。着いたら会社に電話するよう伝えてくれって」と言う。
担当者が困惑するくらいだから、ウチの会社の人間の様子が電話越しでもよほどだったに違いない。私は荷を下ろすと、急いで自分の会社に電話した。すると、電話に出た上司は「おおっ、良かった!」と、声が上ずっている。やはりかなりの大事件に違いないと思った。
続けて上司は「おめでとう! 奥さん、無事に男の子を出産したってよ」と大声を張り上げた。そういや、妻が出産で病院にいるんだった。コロッと忘れてた。
後でこのことを妻に話したら、こっぴどく怒られた。

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