奇跡の幸運
トラック運転手として、私は今のところ無事故無違反を貫いている。これは我ながら自慢してもいいと思っている。
できれば今後も無事故無違反を貫き通したい。
交通事故は運転手の気のゆるみや疲労などによって起こり得るので、自分がそんな状態に陥らないよう、毎日がまさに試練だと思っている。そう、大事なのは気持ちが無事故無違反に慣れてしまわないことだと思う。
と言っても、それはやはり理想論で、実際は毎日の仕事に追われ、ついつい気がゆるんでしまっているのではないかと思う。
そう考えると、今日という日を無事故で過ごすことができているのは、奇跡に近い幸運なのかもしれない。と、夜寝る前には戒めとして必ず自分に言い聞かせる。
第三者の存在
それだけトラック運転手は厳しい仕事だ。
やはり「慣れ」が怖いので、ときには会社やトラック協会などが開く安全講習を受けたりする。大体、内容はいつも同じようなもので、変わり映えはしないのだが、事故現場の写真なんかを見せられると背筋が伸びる思いがする。
その一方、こうした講習を受けていると、トラック運転手として無事故無違反を貫くことは、トラック運転手の安全運転意識に重くのしかかっているが、何も1人で背負い込むことはないわけだ、とも思う。つまり、何も1人で神経をすり減らしてばかりいなくても、講習会のような機会に第三者から「気をつけようね」と言ってもらえると、それだけで気持ちは軽くなる。「1人じゃない」と。
何しろ、トラック運転手は1人で仕事するのが基本。決してチームワーク仕事じゃない。それだけ自立心も強いが、孤立感もあるとそれがストレスになるからね。