神聖な領域
長年、トラック運転手をやっていると、トラックを「我が城」みたいに思えてくる。職業病というやつだろうか。
大企業で働くビジネスマンも、自分のデスクを「城」とまでは思わないものの、自分にとっての「神聖な領域」とは思っているのではないだろうか。
最近は、意識高い系の経営者の会社では、自分のデスクを固定せず、ノートパソコンやタブレットを持ち歩き、空いているデスクで自由に仕事するとかしないとか言うけど、それはまた別の話。
自分が運転するトラックを「我が城」として扱うトラック運転手は、車内の装飾やら何やらを自分好みにアレンジしていく。運転席は高級な革張りが良いという人もいれば、ビニールのほうが運転しやすいという人もいる。他にもハンドルカバーや車窓のカーテンなど、自分好みのデザインでそろえていったりする。
それだけじゃない。
防犯として
会社としてトラック全車にバックカメラモニターを搭載しているところもあるが、ちょっとそこまで力のない会社もある。
そんなとき、トラックが可愛くて、自腹を切ってトラックにバックカメラモニターを取り付けたって人もいる。
防犯のために車内外にカメラを取り付けた人もいる。
防犯と言うと、タクシーならタクシー強盗対策として必要だが、トラックに必要か?と考える人もいるかもしれない。しかし、トラックも駐車場で傷をつけられたり、運転席や荷台から盗まれることもゼロではない。
城には領地を守るための備えがなければいけない。トラックのバックカメラモニターや車載カメラは、城が敵に攻められたとき、それを阻止するお堀や、城壁から敵めがけて落とす岩みたいなものだ。
まさにトラック運転手にとって「トラックは我が城」ということだ。