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トラックドライバー 体験談

僕がトラック運転手になった理由

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親戚のおじさん

僕はトラック運転手の仕事をしています。
それは、僕が小学生低学年のころ、家によく遊びに来ていた親戚のおじさんの影響です。トラック運転手をしている人だったのです。
おじさんがどういうつながりの親戚だったのか、父方の親戚だったのか、母方の親戚だったのかは覚えていません。僕も幼いころは親戚の人たちを「親戚」とひとくくりにとらえていて、誰がどういう人かということには関心もありませんでした。また、そのおじさんはいつの間にか家に姿を見せなくなったので、僕が多少大きくなって、親戚との関係を理解し始めたときは会うこともなかったのです。
そのおじさんは長距離トラックの仕事をしていたらしく、よく遠くの地方で出会った人、見た景色、食べたものなんかのことをとても楽しそうに話してくれました。また、一度だけ、普段乗っているトラックの運転席に座らせてくれたこともあります。僕はその高い位置にある運転席に座り、ハンドルを握ってはしゃいだことを覚えています。
おじさんと会うことはなくなっていきましたが、あのおじさんの楽しそうに仕事について話す姿が心の奥底にしっかり残り、僕は中学、高校と成長するにつれて「おじさんみたいなトラック運転手の仕事もいいもんだな」と思うようになりました。

転職の決意

ただ、それは「子どものころの夢」みたいなもので、高校を卒業して就職が目の前に迫るころには、現実的に地元のメーカーへの就職を考えるようになりました。
それであるメーカーに就職し、生産現場で働くようになったのですが、何か心の中に違和感がありました。
また、会社に出入りしているトラック運転手を見ると、何か心が騒ぐのを感じたのです。
それで20歳を過ぎたころ、メーカーを辞めてトラック運転手に転職することを決めました。
実家から出勤していた僕は、両親にそのことを話しました。両親とも「せっかくちゃんとした会社に就職したんだから、多少のことは我慢しなさい」と言います。
そんなやり取りが何度かあって、僕は子どものころに大好きだった「おじさん」のことを話しました。トラック運転手に子どものころから憧れていたんだと理解してほしかったからです。

証拠の写真

ところが、両親とも「ウチの親戚にトラック運転手なんていない」と言うのです。僕はびっくりしました。
それでおじさんが話してくれた内容や、遊んでくれたエピソード、それにおじさんの人相もかなり細かく思い出して話したのですが、両親とも心当たりがない様子です。親戚のみならず、両親の友人・知人、近所にも該当する人物はいなかったというのです。
それはともかく、僕の熱弁に、両親は僕がトラック運転手になるのを許してくれました。「そんな作り話までするくらいなら、よほど本気なのだろう」と思ったのかもしれません。
両親から、親戚の集まりで撮った昔の写真を見せられましたが、確かにあのおじさんは写っていなかったのです。
やがて長距離の仕事をするようになった僕は、以前おじさんが話してくれた地方にも行くようになり、確かにおじさんが話してくれた景色、食べ物が実在することを知りました。
一体、あのおじさんは何者だったのでしょうか。もしかして僕が空想した「想像上の人物」だったのでしょうか。
それにしては、子どもだった僕が知りようもない地方の景色や食べ物のことなんかも詳しく教えてくれたのがです。

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