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トラックドライバー 体験談

いつもより早く着いた日

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ペコペコでモリモリ

僕は工場から倉庫へ製品を運ぶトラック運転手の仕事をしています。
工場と倉庫はそこそこ離れていて、1往復するのに何日もかかる長距離ではないのですが、朝、会社を出発して1時間ほどで工場に着き、それから倉庫まで走って昼過ぎ、また倉庫から別の工場まで行って、そこから会社に戻るとちょうど夕方、くらいの距離です。
そのため、倉庫で次の工場に届ける荷を積み込んだところで、昼食&休憩となります。
仕事は朝早いので、このときにはもおお腹もペコペコです。いつも手作り弁当持参ですが、中身はご飯もおかずもモリモリです。
これを待ってましたとばかりにかっ込むと、お腹の皮が張ってくると目の皮がたるんでくるというやつで、眠くなります。何しろ朝早い仕事なので。

いつもと同じ仮眠

それで、ここで仮眠を取ります。倉庫の敷地内で、誰も文句は言いません。
僕はスマホの目覚ましアラームをセットし、30分だけ寝ます
さて、その日も、そんな風に倉庫の空き地で仮眠を取りました。1時30分ごろ寝たので、起きたら2時くらいでした。
僕は刺激のあるタブレットを口に放り込み、気持ちをシャキッとさせ、トラックを発進させました。
それから、倉庫のある敷地を出るとき、いつものように守衛の人にあいさつをしようとしたのですが、なぜか守衛の人がいません。「変だなあ」と思いつつ、たまたま用事があってどこかに行ったのかもしれないとも思いました。
しかし、次の工場に向かう途中、何とも言えない違和感を覚えたのです。道は確かにいつもと同じなのですが、その途中で見掛ける住宅や店舗、ビルなどが、どこかいつもと違うのです。

微妙に違う風景

うまく言えないのですが、ビルは妙に新しかったり、見覚えのない古い家が建っていたり、見慣れたはずの街全体が、何十年も前の街のように感じられるのです。
それでも「気のせいかな」と思ってそのまま次の工場までトラックを走らせました。
工場に着くと、驚いた顔で担当者が僕を迎えました。「やけに早く着いたねえ。どうしちゃったの? まさかスピード違反で飛ばしてきたとか」と、冗談めかして言います。
腕時計を見ると、確かにいつもより1時間も早く着いています。もちろん、スピード違反はしていません。
これは20年ほど前のできごとで、当時は僕のトラックにもデジタコが装備されておらず、このとき、何がどうなっていつもより1時間も早く着いたのか、合理的な解釈はできませんでした。今でも謎のままです。

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