接客業だからこそ
タクシー運転手の仕事は接客業でもあります。
そこが醍醐味でもあり、厄介なところです。
もちろん、タクシー運転手は乗客を安全に目的地まで運ぶことが本分ですから、何よりも安全運転が大事で、そのためには運転に集中しなければいけません。それでも無機物を運ぶのではなく、運ぶのは“人”です。お客様に道中、快適に過ごしていただくことも考えなければいけないのです。
タクシー運転手だけではなく、すべての接客業がそうですが、お客様からのクレームもあります。そして、たとえ完璧に思える接客をしても、クレームはあるものです。
接客業に従事する者としては、このクレーム対応も接客業務の1つとして考えます。とはいえ、クレームは減らすこともできます。
1人じゃないって素敵なこと
クレーム対策で最も重要なのはコミュニケーションです。
お客様はタクシー運転手の言動のどこかにイラっとすると、それがクレームに発展します。運転手も人間なのでミスはします。しかし、運転手はお客様が「運転手にどんな対応を求めているか」を早めに察し、円滑なコミュニケーションを取っていれば、些細なミスならクレームに発展することも少なくなります。
中には「難くせ」とも言えるようなクレームを理不尽に言ってくるお客様もいます。こんなときはひたすら謝るしかありません。もちろん、蹴る殴ると、相手が暴力に訴えてきた場合は警察に通報します。
また、暴力までいかなくても、謝ってもすまないような事態になったときも、1人で抱え込む必要はありません。会社には「運行管理」という担当者がいます。会社が責任を問われるようなクレームに関しては、運行管理にそのクレームをゆだねることができます。
タクシー運転手の基本
そうでなくても、先輩ドライバー、経験豊富なドライバーと日ごろから仲良くして、クレーム対応の経験談を聞いておくといいでしょう。実際に自分がクレームを受けたとき、相談すると適切なアドバイスをくれるかもしれませんし。
これも、クレーム対策にはコミュニケーションが重要だということの1つです。
ただ、言葉遣いも丁寧で身だしなみも整っていて、地域の地理にも道路事情にも詳しく、目的地まで迅速にお客様を運んでいれば、そんなに多くのクレームを受けることはありません。「どうも日ごろからクレームが多いんだよな」というのであれば、タクシー運転手の基本から見直す必要があるかもしれません。