経験者優遇時代
どの業界のどんな職業でも「教育」は必要です。その教育は、学校で良い点を取るように教える「教育」ではありません。
何も知らない初心者は天才だろうが手先が器用だろうが、何も教えられないままにいきなり仕事をするのは不可能です。自分で考えた事業を自分で進めることはできるかもしれませんが、もともとある仕事であれば、誰かに教えてもらわなければいけません。
ちなみに、自分で考えた事業を自分で進めた起業家も、成功した後で必ず「多くの人の助けがあった」と振り返ります。人は1人きりではほとんど何もできないわけです。
もともとトラックドライバーは高度な技能を必要とする専門職なので、昔はどこも「経験者優遇」で求人を出していました。未経験者には就業のハードルも高かったのです。
経験不問時代
しかし、このところトラックドライバーは人手不足になり、「経験不問」「未経験者歓迎」とする会社も多くなってきました。未経験者には就業のハードルが下がったわけです。
ただ、それだけに入社後の「教育」をしっかり行って人材を育成し、トラックドライバーとして定着してもらわなければいけません。
トラックドライバーは、交通事故ではトラックドライバー側に一切過失がなくても相手に大きな損害を与え、トラックドライバーの心にも大きな傷を残す可能性もある職業です。大きな車体は目立ち、周囲に与える影響は大きく、悪いイメージも広まりやすくなっています。その一方、人々の生活や企業の活動を支える、社会貢献度の高い存在です。
そんなトラックドライバーの人材育成は、仕事に関わる技能とともに、公共の場での言動に欠かせないマナーやルールもしっかり身に付けてもらうものでなければいけないのです。