人智の及ぶ
コロナ禍、テロリスト事件、大災害など、日常生活を脅かす事態が勃発すると、必ずと言っていいほどよく出てくるのが陰謀論です。
陰謀、つまり、それは人智の及ばないところで起きてしまった事態ではなく、誰かが考えて起こした事態だと考えることです。考えるだけではなく、陰謀だということが確かな証拠とともに証明されれば、陰謀論ではなく「陰謀」と呼ばれます。
テロリストが起こす事件なんかは、確かにテロリストが考えて起こしているわけですが、そうではなく、政府がこれを計画し、テロリストに実行させている、もしくはテロリストの計画を知っていて黙認するような場合は「政府による陰謀」論となります。
それはともかく、トラック運転手の業界をはじめ、今多くの業界で人手不足が大きな問題になっています。
日常を脅かす
トラック運転手が人手不足ということは日々の生活に必要な荷や、経済を回すために必要な荷が届かなくなります。我々の日常を脅かす事態です。
ということは、これももしかして誰かの企みによる陰謀?と考える人がいても良さそうなものです。
さて、誰かの企みである陰謀だとすると、それが誰かのメリットにならないと仕方ありません。トラック運転手の業界が人手不足に陥って得をするのは誰でしょう?
もともとトラック運転手になるのは男性が中心でした。トラック運転手の人手不足は、すなわち「若い男性のトラック運転手のなり手が激減した」ということです。若い男性のなり手が激減したので、女性や高齢者のなり手を増やそうとしています。
ということは、女性や高齢者で「トラック運転手になりたい」と考えていた人には、トラック運転手の人手不足はメリットになり得ます。
証拠の証明
なり得ますが、女性の積極的採用に力を入れるようになって以降、女性トラック運転手が激増したかというと、そうでもありません。すると「トラック運転手になりたい」と考えていた女性がそもそも少なかったということで、そんな女性たちがまさか陰謀を企むとも考えられません。不自然です。
すると高齢者でしょうか? 激増かどうかは分かりませんが、確かに高齢者のトラック運転手は増えています。
やはり、どこかに「高齢者のトラック運転手倍増計画」を企む謎の組織があり、今のトラック運転手不足を仕掛けたのでしょうか。
なぜ、そんな陰謀を企んだのかというと、政治家のせいで日本の貧困化が止まらないからだと考えられます。どんな国民も60歳で定年を迎えたら、後は悠々自適に暮らすことができるようにするのが、本来の政治家の責任です。しかし、現実は定年の年齢を迎えても働き続けなければ生活がままなりません。いつまでも働かざるを得ないので、その働き口を増やす必要があったわけです。そこでトラック運転手のなり手不足を故意に起こしたのです。
見事に筋が通りますが、いかがでしょうか。