かもしれない
大勢の人が願いながら、なかなか達成されないのが交通事故ゼロだ。ホント、人間というのは車の運転に向いていないんじゃないかとさえ思ってしまう。
多くの人が「交通事故って毎日のように起きているけど、まさか俺は起こしっこないよ」と思っているのかもしれない。そういう油断から交通事故が起きてしまうような気もする。
僕らトラックドライバーのような職業ドライバーは、特に油断や不注意は禁物だ。
交通事故を起こさない安全運転の心構えに「だろう運転じゃなくて、かもしれない運転」というのがある。
つまり、見通しの悪い交差点に進入する際、左から自転車が突然来たりはしない「だろう」と、自分に都合よく考えるのではなく、自転車が突っ込んで来る「かもしれない」と、都合悪く考えるようにすることだ。そういう予想をしながら運転することで、事故を回避する。
できること
この考えを常に持ち「俺は事故を起こさないだろう」と考えるのではなく「俺も事故を起こすかもしれない」と考えれば、いつも注意を怠ることなく、安全運転に集中できるはずだ。
もちろん、交通事故は加害者になる可能性ばかりじゃない。被害者にもなり得る。その場合、歩行者もだ。
トラックドライバーの僕だって、休日はトラックに乗らずに歩道を歩いたりする。基本的には車道を走る車のドライバーの安全運転意識を信頼するしかない。
歩行者にできることといったら、道路を渡るときは信号が青だときちんと確認して横断歩道を歩くということくらいか。
ある休日、歩道の横の産業道路をビュンビュン飛ばしていくトラックや乗用車なんかを眺めながら、僕はふとそんなことを考えた。やはり交通事故に関しては、ほとんどの責任をドライバーが負うことになる。僕は翌日から、今まで以上に気を引き締めてトラックのハンドルを握ることにした。
「僕も事故を起こすかもしれない」と。