厄介
トラックドライバーとは厄介な仕事だ。
トラックドライバーの仕事は荷を運ぶこと。トラックドライバーがいなければ、途端に人々の生活や経済活動に支障が出てしまう。つまり、物流を担うことで社会を支えているのがトラックドライバーだ。
だから、国家が国の宝として手厚く保護しなければいけない存在のはずなのに、やけに軽んじて、粗末に扱われてしまう。
分かりやすいく言うと、それだけ重要な仕事のはずなのに、給与は国会議員並みとはいかない。仕事の重要度から言えば、政治家のそれと比べ、決して引けは取らないのに、だ。
それどころか、業界では「労働環境の改善が進められている」と言われながらも、いまだに「荷主至上主義」がしぶとく残っている。つまり、トラックドライバーの仕事もトラックドライバーの効率ではなく、荷主の都合を優先しなければいけないってことだ。
クライアントを優先するなんてこと、どの業界だって同じ。我慢しろ。という人もいるかもしれない。
しかし、そろそろそういう「クライアント至上主義」「お客様は神様観」は止めるべきだ。どの業界も。
楽?
そんな苦しい状況なので、ここのところ、なかなか若い人がトラックドライバーになりたがらない。そりゃそうかもしれない。
トラックドライバーの仕事には大変なことも多く、よほどこの仕事のことが好きではないとできない、とまで言われている。
しかし、それでは世の中の他の職業は、そんなに楽なのだろうか。毎日、皆「楽しくて楽しくて仕方ない」と思って仕事をしているのか。十分、満足できるほどの収入だと感じているのだろうか。ちょっと疑問に思う。
私自身はトラックドライバーの仕事しか経験したことがない。それに、辛くて辞めたくなることも多いのに、どうしても辞められない、つまりそれだけ好きでやっている仕事だと自覚している。もしかしたら「マニアック」なのかもしれない。
それでも、ネットで検索すると「辛さ」ばかりが強調され過ぎているような気もする。
他の仕事って、そんなに「楽」なのだろうか? 悪いけど、私にはそんな風には見えない。