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トラックドライバー 体験談

この俺はおかしい!

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遅い車

俺は30歳のトラックドライバー。毎日、倉庫と工場を往復して部品や製品を運んでいる。
それは片道90分ほどの道のりで、途中、峠を越える。
その日も俺は倉庫で製品部品を積み、昼下がりの峠道でトラックを走らせていた。
気がつくと、前方に普通自動車が見えてきた。基本的には走る車も少ない道だが、まあ他の車と遭遇するのも珍しいことじゃない。荷を積んでいる身としては、急ブレーキなどで荷崩れを起こさないよう、俺は前方の車とは十分に車間距離を空けた
それにしても前の車のスピードが遅い。中途半端に遅い。
この峠道はそれほど幅も広くないので、無理に追い越すのは不可能に近い。かと言って、前の車を追い立てると「あおり運転」とも思われかねない。第一、安全を考えるとそんなに車間距離を詰められない。
かと言って、このままだと予定の時間に工場に着くのも難しくなる。

危険な罠

そのうち、道幅が少し広くなってきた。しかも、前の車が少し左側に車を寄せてきた。
しめた、俺のトラックに道を譲ってくれたんだ。そう思った俺は、車を追い越す体制に入り、スピードを上げていった。
やがて俺のトラックが右側から車を追い越そうとしたそのとき、なぜかその車も突然スピードを上げた。つまり、そこで俺のトラックとその車は、横並びで競争するカタチになったのだ。
なんだ、このドライバーは? 危ないじゃないか!と憤りながらも、俺の気持ちにも火がついてしまい、俺とそいつの壮絶なカーチェイスが曲がりくねった峠道で繰り広げられることになった。
どんなヤツが運転しているんだろうと思って車の運転席を見たが、トラックの右側の運転席から左下にある車の運転席はよく見えない。

俺らしくない俺

そのうち、右に曲がる急カーブにさしかかった。左側は崖になっている、危険なカーブだ。
俺もそいつもスピードをロクに落とすことなくそのカーブに突っ込み、トラックの車体が大きく膨らんだために、車はトラックに押し出されるようにあえなく崖下に落下してしまった。
ヤバい! 事故を起こしちまった‼と叫んだ俺は、そこで目を覚ました。ベッドの中でひどく汗をかいていた。それほどリアルな夢だった。
落ち着いて考えてみると、その夢の中の俺は全く俺らしくなかった。第一俺はトラックドライバーじゃなくてバス運転手だ。時間を気にしてハンドルを握るのは同じだが、だからと言って峠道で無理な追い越しをしようとは思わない。
その夢のことが心のどこかで引っかかり続けた俺は、俺が担当していたバスの路線が廃止になったのをきっかけに、トラックドライバーに転職してみた。
こうしてトラックを運転していると、あの夢の記憶がまざまざと甦ってくるのを感じる。
しかし、絶対に無理な追い越しや危険な運転はしてはいけないと、肝に銘じている。

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