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トラックドライバー 体験談

トラックドライバーの不吉な目

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脳内再生

僕はトラックドライバーの仕事をしている。
トラックドライバーになって5年ほどにはなるので、すっかりこの仕事にも慣れたと思っている。
トラックドライバーと言っても長距離の仕事ではないが、それでも1日の大半はトラックを運転している。
同僚の中には、その長い運転の時間、ずっと好きな音楽を聞いて過ごすという人も多い。しかし、僕は音楽を聞くのが好き過ぎて、音楽を聞きながらだと運転に集中できなくなるような気がして、ハンドルを握っている間は音楽を聞かないようにしている。
ただ、音楽を好き過ぎて、車内には何の音楽も流れていないのに、僕の頭の中だけで勝手に音楽が流れていることがある。大抵は好きなアーティストの曲だけど、時折、どっかで聞いたことがあって、それが妙に頭にこびりついているって曲もある。
先日は、やけに頭の中で、演歌か歌謡曲みたいな曲で民謡歌手か誰かが歌う「♪ほ~のぼのと、ほのぼのと~」って歌声が耳について離れなかった。よく思い返してみると、テレビ時代劇の「桃太郎侍」のOPだった。そう言えば昼間、同居している祖母がテレビで再放送を見てたっけ。

また、あるときはやけに「♪ダバダバ」歌うコーラスが繰り返される、オシャレな曲が脳内でヘビロテしていた。これまたドラマとか映画の曲なのか、それともCMの曲なのか。
そういう風に、頭の中で音楽が流れているときというのは、特別な心配ごとなどがなく、とても機嫌よくトラックを運転している。そりゃそうだ。心配ごとや悩みがあるときなんかに、頭の中に音楽なんて浮かんでこない。
この僕の音楽好きは、社内でも皆が知っていた。
ある日、いつものように頭の中で流れる音楽に耳を傾けながら、僕はその日の配送を終え、会社に戻って来た。すると、たまたま僕の帰社を見ていた同僚が、トラックを降りた僕を捕まえ「お前、また頭の中で音楽が鳴っていただろ」と話しかけてきた。
僕は別に頭の中の音楽に合わせて体を動かしていたわけでもないし、鼻歌を歌っていたわけでもない。なんで僕の頭の中が分かったのか、不思議というか、少々怖くなった。
すると、僕の気持ちを察したのか、その同僚は「そりゃすぐ分かるよ。お前、いつも目つき悪いけど、機嫌が良くて音楽が聞こえているかなってときは目つきが柔らかくなるもん」と言った。
知らんかった。僕はもともとそんなに目つきが悪かったのか。
ちなみにその日頭の中で聞こえていたのは星野源の「恋」だった。

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