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トラックドライバー 体験談

未来のレストランに立ち寄った?

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初めての場所

あれは5年ほど前の夏の夜だった。
当時、トラック運転手になりたてだった俺は、まだ荷積みも効率的にできず、とにかく仕事がいつも遅れがちだった。
その日は、初めての配送先に夕方、荷を届ける仕事を割り当てられた。何とか到着は時間に間に合ったものの、荷下ろしやら荷積みに時間がかかり、配送先を出発したころにはすっかりあたりも暗くなっていた。
積んだ荷は明日届けるものだったので、今日はとにかく会社に戻れば良かったのだが、初めての場所で夜だったので、どうやら道に迷ってしまった。
そのうち、腹も減ってきた。俺はとりあえず飲食店を見つけ、そこで会社に戻る道を聞こうと思った。だが、周囲に何もない田舎道だったので、飲食店もなかなか見つからなかった
しかし、そうやってトラックを走らせていると、やがて何かのお店に違いない、灯りに照らされた看板が見えてきた。それは確かに飲食店だった。

人影のない店内

店名もろくに見ずに、俺は駐車場にトラックを停めた。
だが、すでに閉店したのか、看板の灯りは点いていたものの店内は真っ暗で、もちろん誰もいなかった。それでも装飾などもきれいで、新しい店だということは分かった。
俺は仕方なく、またトラックに戻り、他の店を探すことにした。すると、そこからしばらく行ったところにコンビニがあり、弁当を買うことができた。国道に戻る道もコンビニの店員に聞くことができた。
数日後、俺はまたあの店の近くに行く仕事があり、あの店に寄ることにした。店名は覚えていないが、会社に戻る道はしっかり覚えたので、逆をたどればあの店にたどり着けるはずだった。
しかし、ここらあたりになければおかしいというあたりに差し掛かっても、あの店が見つからない。
絶対にここだったという場所にもたどり着いた。周囲の風景はあの夜のままだったが、あの店だけがなかった

再び現れた店

俺は仕方なく、あの晩も立ち寄ったコンビニに行き、店員に「この辺に新しくレストランができたはずだけど」と聞いてみたが、その店員は「知らない」という。バイトだから知らなくても仕方ないかもと、妙な納得をして立ち去った。
それから5年ほど経ち、あの夜の記憶も薄れかけていた数日前、久しぶりに当時初めてだった配送先に行く仕事があり、ダメもとで「あの店」の場所に行ってみた。すると、記憶にある通りのレストランが建っていた。あの晩見たのと全く同じ、新しくてきれいな装飾は完全に見覚えのあるものだった。
俺はしばらく茫然としていたが、ちゃんと営業していたので、気を取り直して店に入った。中華レストランだったので、酢豚定食と鶏の唐揚げを食べた。
従業員のお姉さんに聞くと、店は先月オープンしたばかりだという。俺はあの晩、未来にタイムスリップしてこのレストランを見つけたのだろうか。

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