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回帰! 妥協の家族

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高慢と偏見

僕の父はバスの運転手をしている。
普通自動車より運転の難しい大型バスを自在に操り、大勢のお客さんを快適に運ぶ、このバス運転手の仕事を、父は誇りを持って続けてきた。
自分の仕事に誇りを持てるのは好ましいことだが、息子にとっては、ときとしてうとましいことでもある。なんか、仕事を継いでほしいような視線を感じるんだよね。
あいにく、僕はそもそも車に興味がなく、車の運転にも興味が薄い。それなのに、大学の夏休み、父が勝手に自動車教習所に僕の名前で申し込み、僕は自動車免許を取ることになった。費用は父が出した。
僕の友人なんかは自分でバイトしてお金を貯めて教習所に通う者もあったので、僕は恵まれていたと言えよう。しかし、夏休みの過ごし方を自分なりに計画していたので、それができなくなり、正直言うと嫌々教習所に通った。免許は取ったし、実家に自家用車もあったが、結局大学時代は一度も車を運転しなかった。

分別と多感

大学を卒業した僕は、出版社に就職した。父には申し訳ないが、バスや車とは関係のない人生を歩むつもりだった。ちなみに通勤は地下鉄だ。
しかし、新入社員なりゃこそ、どんな部署に配属されるかは分からない。僕は、新しく創刊されることになった車雑誌の編集部に配属された。そこで車のことを勉強するはめになった。ときには、新車のレポート記事を書くために運転もしなければならなかった。
何せ、運転免許は持っているものの、それまでろくに運転経験も積んでこなかったので、必死に家で練習するはめになった。
バスや車とは関係ない人生を送るつもりだったのに、妙にそちらに近づきつつある。父は、僕もいずれはプロドライバーになってくれるだろうとほのかな期待を抱きつつ、今はせめて運転だけでもするようになったことに喜びを禁じ得ない様子だ。

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