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トラックドライバー 体験談

この道はさっき通った道

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過重労働

私はトラック運転手の仕事をかれこれ25年くらい続けています。
そんな私が、まだトラック運転手になりたてのころのことです。
当時は今のように「働き方改革」なんてものはなく、しかも企業のコンプライアンスも今ほど厳しくありませんでした。その分、トラック運転手の仕事は今よりずっと過酷で、その代わり給料も良かったように思います。
法令ギリギリに過重労働でしたが、私もまだ若かったこともあって、仲間たちと「どっちがより過酷な仕事をこなせるか」を競い、お互いに過酷自慢をしていました。
そんなわけで、ときには頭がボーッとした状態でハンドルを握っていたこともあります。今なら考えられないことです。
もちろん、いくら若いからって私も交通事故はイヤでしたから、ボーッと運転してたのもよほど人通りや車のいない道路でのことです。

ウツラウツラ

当時、私は倉庫と隣のG県の工場とを往復する定期便を担当していました。時間もルートも決まっていたので、ときおり寝不足から頭がボーッとなることもありました。
そのルートでは、午後3時ごろに決まって、ある工場の前を通ります。その工場では3時に休憩があるのでしょう、私のトラックが通り過ぎるころにはサイレンが鳴ります。
さて、その日も私はいつもの寝不足で頭がボーッとなりかかっていました。そこに聞きなれた工場のサイレンが耳に入ってきました。私は「おっと、いかんいかん」と気持ちを引き締め、運転に集中しようとしました。
しかし、ほどなくするとまた頭がボーッとしてきてしまいました。私はそれでも納品時間に遅れまいと、必死に前方を見据えてトラックを走らせました。しかし、意識がウツラウツラとしてきてしまったのです。もう、その状況をまずいと判断する意識もなくなっていたようです。

行ったり来たり

そのとき、突然サイレンの音が響き、私はハッとしました。見ると、工場の前です。
そんなバカな、と思いました。だって、この工場はさっき通り過ぎたし、サイレンも聞きました。
ただ、私は頭がボーッとしていたことを思い出し、前日の記憶とゴッチャになっているのだと思いました。
気を取り直して運転を続けました。
しかし、しばらく行くとまたサイレンの音が響き、見ると工場が見えます。私は何が何やら分からず、それでも必死にトラックの運転を続けました。
そんな風に「ボーッとする」「サイレンを聞いて工場を見る」を数度繰り返しました。
しかし、その繰り返しの後、ふと気がつくと、運送先の工場が見えてきました。私はホッとしましたが、同じ場所を何度も行ったり来たりして、体感では数十分遅れているはずだったので、それが心配でもありました。すると、工場の担当者は何事もなかったように私のトラックを迎えてくれました。時計を見ると、確かに時間通りです。
よほど疲れがたまり、おかしな精神状態になって同じところを行ったり来たりしたと思い込んだのかもしれません。それとも、いわゆるタイムループにハマっていたのでしょうか。

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