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トラックドライバー 体験談

消えた時間

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右か左か

僕はトラック運転手をしています。
僕は宗教にも興味がないですし、疑り深く、超常現象も基本的には信じていません。迷信深くもないです。
田舎道を走っていて道に迷い、まるで明治時代のような風景に出くわしたり、目の前を走っていたはずの車が忽然と消えたり、不可解なことを目撃したなんて先輩の話も「気のせい」と片付けています。
ですが、トラック運転手として仕事をしていて、何とも説明しがたい、不思議な体験をしたことがあります。
それはG県の山の中を走っていたときのことです。
目的地は初めて行く場所で、僕はあらかじめ地図でよく確認し、さらにカーナビに従って運転していました。
曲がり角のところに来ると、カーナビが右折しろと言います。事前に確認した地図では、方角的に左折のはずで、僕は「おかしいなあ」と思いました。

異世界への道

それでもまあ、記憶違いだったかなと思って右折しました。
トラックはどんどん山を登って行きます。これも事前の確認では、そろそろ下り道になるはずだったので、ちょっと違和感がありました。
そのうち、だんだん霧の中に入って行きました。僕は事故を起こすのも怖かったので、速度を落として慎重にトラックを進めました。
周囲を霧に囲まれて視界が悪い中、僕はゆっくりトラックを走らせていました。分かれ道も出てきませんし、すれ違う対向車もありません。窓も開けていませんでしたし、エアコンも作動させていなかったのに、車内がひんやりしてきました。
不安になった僕は、仕方なく来た道を引き返しました。
さっき右折したところまで戻り、ふと時計を見ると、ほとんど時間が経っていません。かなり時間が経った感覚だったのですが、その時間が消えていました。
また、カーナビを確認すると、今は左折するように言っています。
その後はカーナビに従って行って、無事に目的地に着いたのですが、あの霧の中を進むとどこに行ってしまったのか、考えると怖い気もします。

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