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トラックドライバー 物流業界

トラック運転手の不思議な日常

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お砂糖ひとさじで

働き方改革、女性の活躍推進と、日本の企業ではこれまでの古い鎖を断ち切って、新しい生活様式を模索する取り組みが始まっています。
しかし、これがなかなかうまく行っているようには見えません。
長距離のトラック運転手をしているのですが、その仕事柄、どうしても長時間の労働になってしまいます。
長距離のトラック運転手の仕事には、はたから見て「無駄じゃん」と思われる要素が結構あるのです。なかなか、理想の乳母さんお砂糖ひとさじでサッと家事を片付けるようなわけにはいきません。
一番のネックは「待ち時間」です。荷主から指示をされた時間に着いたとしても、すぐに荷物を積み込めるわけではありません。荷積みや荷下ろしを待つことになります。1時間、2時間待つのは当たり前で、ときには4、5時間待たされることもあります。

眠らないで

多くの運転手が動画を楽しんだりネットサーフィンしたりして時間をつぶします。でも、この待ち時間がなければ、すぐに帰れるのに、と思います。
そんな待ち時間にいちいちイライラしていては精神衛生上よろしくないので、趣味を楽しむようにしています。
絵を描くのが趣味なので、スケッチブックをトラックに置いておき、絵を描いて過ごします。大道画家にでもなれば良かった、と思わなくもないです。食べていけるほど稼げないでしょうけど。
とにかく、スケッチブックを抱えてスケッチに行くのが、何よりも楽しい休日の過ごし方です。
それはともかく、荷主の指定した時間は絶対に守らないといけません。そのため、深夜にトラックを走らせることもあります。眠らないで安全運転を心がけます。

凧をあげよう

特に、結婚して子どもも生まれ、家族というものができると、働き方ってやつを考えます。
子どもには本当に癒されますよ。父親の仕事を理解してほしくて、妻が子どもにトラックのミニカーを買い与えました。子どもは笑うことが好きで、ミニカーを手にしてはしゃいで笑ってくれます。
そんな子どもの笑顔を見ていると、自然とテンションが上がります。子どもが大好きな童謡「はたらくくるま」を歌うと、妻も「踊ろう、調子よく」と言って一緒に盛り上がります。
男には夢があります。いつか“業界の巨人”と呼ばれる日を胸に、一所懸命働きます。子どもはいつか大人になり、頭をなでてやるような年齢を超えていくでしょう。
でも今は、子どもと一緒に過ごせる貴重な休日は、趣味の絵描きもひとまず置いておき、子どもと凧をあげようかと思います。そんな風に過ごせるのも、今のうちだけですから。

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