タクシー運転手の特殊な事情
「バカというヤツがバカ」。
子どものころ、友達と言い合った、他愛のない戯言です。戯言ですが、ある種の真実かもしれません。だってやはり、人の悪口を言うヤツにはろくなヤツがいないと思います。
このたとえで言うと、タクシー運転手という仕事を「底辺の仕事」というヤツがいますが、そんなことを言うヤツのほうが「底辺」なのかも。
タクシー運転手は中高年が多く、業界は高齢化が進んでいます。その一方、20代の若者のタクシー運転手も増えているという話も聞きます。タクシー運転手という仕事には、20代の若者にアピールする魅力やメリットがあるのです。
タクシー運転手という仕事には、一般的なサラリーマンと違う、特殊なところが2つあります。隔日勤務と歩合制です。
隔日勤務とは、朝から翌日の深夜までほぼ1日近く勤務し、そこから丸1日休むという勤務です。これを月に12日間くらいこなし、後の18日間くらいが休みになります。
夢の実現に向かって
給料が歩合制という仕事は、営業職でもありますが、タクシー運転手もそうです。一般的なサラリーマンは、新入社員から始まり、経験を重ね、年齢を重ね、出世していくと給料が上がっていきます。
けど、歩合制では本人のやる気、努力次第で年齢に限らず、高収入が可能です。どんな仕事でも「慣れ」「経験」は大切ですから、新人がいきなりすごい年収を実現させるのは難しいかもしれませんが、20代で年収600万円を実現させた人もいる、と聞きます。
つまり、タクシー運転手は休日が多く、若くても高収入を実現できる仕事なわけです。そりゃワーク・ライフ・バランスを重視したい若者に人気も出ます。
ミュージシャンや芸人、俳優として成功を夢見る若者も多いでしょう。そんな若者にとって、自分の時間を多く持てて、生活を安定できるタクシー運転手の仕事はとっても魅力があるはずです。タクシー運転手をしながら、夢の実現に向かって頑張る若者も増えています。
タクシー運転手はいろいろなお客様を乗せますから、ここで積み重ねた人生経験は、ミュージシャンでも芸人でも俳優でも、アーティストにとって貴重なものにもなるでしょうし。
タクシー運転手の仕事が底辺の仕事だなんて、言いたいヤツには言わせておきましょう。