イイことばかりじゃない
ドライバー業界はここんとこ人手不足が続いているという。私が属するタクシー業界も同様のようだ。
ネットで検索すると「タクシー運転手はガッツリ稼げる」「中高年でもタクシー運転手になれる」「人間関係にわずらわされない」といった耳障りのイイ言葉が並ぶ。
‥まあ、それは事実だから仕方ない。
でもその一方で、もちろんツライこともあるんよ。
お客様の中には“嫌な態度の人”もいる。酔って絡む人とか、後ろからこちらの座席を蹴っ飛ばす人とか、そこまでの狼藉を働く人は、そんなに多くはないけど、“フツーに上から目線”の人は結構多い。誰だって、初めて会う、こちらの人間性をちっとも知りもしないような人に見下されるのは、イイ気持ちはしない。
けど、それくらいのことには平然としていなければタクシー運転手は務まらない。むしろ「自分もどこかで根拠もなく他人を見下していないか」と自戒するくらいの余裕を持とう。
ストレスをためないために
ヒトを職業、性、人種などからだけでひとくくりに判断して偉そうにしたり、見下したり、嫌ったりするのは器の小さな行為だけど、現実にはよくあることサ。It's Not Unusual!
もちろん、他人に威張り散らしていないと生きていけない、なんて人はタクシー運転手には向いていないと自覚して。
それから「運転が苦手」という人も、できればタクシー運転手は避けたほうがいい。苦手なことを長時間行うことになるから、それだけでストレスもたまるはず。
「運転は好きだけど接客は苦手」という人にも向いていない。タクシー運転手の本分は接客にあると言っても過言ではないからだ。お客様を安全に目的地までお届けするのはもちろんのこと、車内で快適に過ごしてもらうこともとっても大切。
それに方向音痴の人、道をなかなか覚えられない人も難しいかも。今はカーナビもあるけど、それでは「ガッツリ稼ぐ」まではいかないかもしれない。
「タクシー運転手なんて、ただクルマを運転してれば稼げるラクな仕事」と思っているような、学習能力や向上心の足りない人も向いていないだろう。
MOTTAINAI
こう言うとミもフタもないけど、タクシー運転手という職業にはイイ面も悪い面もある。と言うか、人によって向き不向きがある。
もし、タクシー運転手に向いている人で、しかもタクシー運転手という職業に興味があるなら、ぜひ一度体験してみてほしい。前述したように、世の中にはタクシー運転手を見下す人も多い。けど、そんなつまらん理由でタクシー運転手の職業を選ばないのはもったいなさ過ぎる。
自分の人生は他人の価値観ではなく、自分の価値観で生きるべき。