俺にはコレだった
俺は大学卒業後、保険会社に入社した。給料が良かったからだが、給料が良い分、ノルマが過酷で、ストレスが山盛り。親戚、友人、知人もかたっぱしから勧誘し、ヒビの入った人間関係も1つや2つじゃない。妹は今でも婚約を破棄されたのは俺のせいだと責める。こうなるともう2時間サスペンス級の事件が起きかねないレベル。
会社への不満が山よりも高く、海よりも深くなったころ、俺は退職し、トラックドライバーになった。もう人間関係でストレスを増やしたくなかったからだ。
俺の今の仕事はコンビニ配送ドライバー。正社員で給料はそこそこ、休日もそれなり、会社に対する不満もない。
真夜中のドライバー
コンビニ配送のドライバーは深夜の勤務もある。だが俺はもともと夜型なので、これも全く苦にならない。何が苦労で、何が楽しいか、何に不満を持ち、何に満足するか、それは人によって違うんだと思う。保険業が楽しくて仕方ない人だっているだろう。
そんな俺にとって、正社員としてのコンビニ配送ドライバーの仕事の楽しみは、いろいろな店舗の店員さんたちとのやりとりだ。
最初は簡単なあいさつ程度だったが、だんだんいろいろな話をするようにもなった。特に深夜勤務のコンビニ店員は、変わった人もいて面白い。「自分の友人知人が選手ってわけでもないのに、スポーツを応援するヤツの気が知れない」なんて人もいた。
くどいようだが、俺の今の仕事はコンビニ配送ドライバー。正社員で給料はそこそこ、休日もそれなり、会社に対する不満はない。今のところ無事故無違反。
俺は優秀なトラックドライバーだと思う。いや、その言い方は傲慢だな。言い直そう。この仕事は俺にとって天職だ。