プロドライバーのブログがオモシロい
音楽業界に「シンガーソングライター」という人がいるよね。自作の歌を自分で歌う作曲家のことだ。「シンガー」であり「ソングライター」でもある人。なんでも1970年代あたりから使われるようになった言葉だとか。
そこで考えたのが「ドライバー」であり「ライター」でもある「プロドライバー&ブログライター」。
今はネットの発達で、誰でも自由に文章を公にできる。FacebookなどのSNSで日記のようにして身の回りのことを書いたり、意見を表明したり、ニュースでスクープを書いたり、ノウハウを拡散させたり。たくさんの人が書くので文章表現も切磋琢磨されて、みんなけっこう上手い。
そんな中、子どもたちや学生たちが書くようなものの多くは、個人的なことや身の回りのことに終始して、最初は面白い表現だなとフォローしてもやがて飽きる、こともある。晩ご飯自慢もよく見るけど、それがどうしたという感じ。
そこへいくと、プロとして仕事をする人が書くブログはけっこう面白い。内容がリアルなだけに読むべきものが多い。さすがプロの仕事人は違うと、読み手にとって役に立ったり、新しい視野が開けたりして興味深い。
中でも、ドライバーを職業としているプロドライバーの場合、意外にちゃんと読ませるブロガー人口が多いだけに、ある種シノギを削っている感じがあっていい。これぞ「プロドライバー&ブログライター」と定義づけてもいいんじゃないだろうか。
長距離を走る人の各地の名産巡り、風景写真を交えた紀行文、先輩ベテランドライバーとしての運転ノウハウなどのアドバイスなどなど、普通に会社と自宅とその周辺が生活圏という一般市民と違って遠くまで出かけたり、いろんな場面を体験したりと話題も豊富。知らないものや知らないことがいろいろ出てくる。また、タクシードライバーなんかも人間相手のドラマがあったりして読み応えがある。
日々の記事が注目されたらアフィリエイト収入も
そういうプロドライバー&ブログライターの皆さんは、いつ“カキコ”しているのかと言えば、運転中はもちろん無理で、案外多い「待ち」の時間を使うらしい。倉庫への入荷待ちなど以外にも、長距離で送り荷のあとに帰り荷のシフトが決まるまでの泊まりがあったり、この「待ち時間」はなかなか侮れない。タクシーでは駅待ちの時間も利用できる。
走行中も、ふだんは手・足・目なんかは使っているが、単調な高速道路などでの直線部分や渋滞ノロノロ運転時では、眠気やイライラ防止に、ブログのアイデアを考えたり、頭の中でまとめる作業ができるらしい。音楽をかけたりカラオケしたりも多いが、それらはカタチとして残らないし、飽きたらやっぱり眠気が来るからちょっとね、と言ってた人もいた。
何より、運転そのものをテーマとする場合などは特に、運転中の出来事にアンテナを張り巡らせるので眠気やイライラは遠ざけられる。
けっこう長いという「待ち」での拘束時間などが来たら、さっそくスマホを開いて頭でまとめていたことを一気に“カキコ”む。何もなかったころにはそうした時間は予測できないので持て余したりしたものだが、ブログを始めてからは、隙間時間を有意義に使えることになったという。
それと、あとひとついいことがある。ブログでは「アフィリエイト」と言って、自分の記事に広告をリンクさせ、そこにアクセスがあって広告の品が買われた場合に数%ずつ収入が入るという仕組みがある。
中にはそれを専業とする「プロブロガー」もいる。プロドライバーではそこまでは無理だが、毎日コツコツ続けるうちにはアクセス数も多くなり、お小遣いで毎月数万円稼ぐのも夢ではないはず。